産業用Ethernetとワイヤレスが着実に拡大―フィールドバスの新規設置ノードは初めて減少―産業用ネットワーク市場シェア動向2019(HMSの分析による)

2019-05-13
ますます多くの産業機器がネットワーク接続されるようになっており、2019年の新規設置ノード数は10%の成長が見込まれます。産業用Ethernetおよびワイヤレス接続が急速に拡大する一方で、2019年はフィールドバスが減少した初めての年となりました。これらの知見は、HMSネットワークスが毎年行っている産業用ネットワーク市場調査の主要な成果です。産業用Ethernetが新規設置ノード数の59%(昨年52%)を占めるようになったのに対し、フィールドバスは35%(同42%)です。現在でもEtherNet/IPが15%と最も多く設置されるネットワークであることに変わりはありませんが、これにPROFINETが14%で迫る勢いです。また、ワイヤレス通信技術も安定した発展を続けており、市場の6%(同6%)を堅持しています。


HMSネットワークスの分析による市場シェア動向2019―フィールドバス・産業用Ethernet・ワイヤレス

プレスリリースー2019年5月7日、ハルムスタッド
 
 HMSネットワークスは、グローバルなFA市場における新規設置ノード数に焦点を当てた分析を毎年行っています。HMSは産業用通信やIIoT向けの製品とサービスを提供する独立系サプライヤーとして、産業用ネットワーク市場の実態をベースとした多くの情報や独自の視点を持ち合わせています。ここでは、当社が分析した2019年における産業用通信のトレンドの一部をご紹介します。

産業用Ethernetの成長は続く
昨年、HMSは産業用Ethernetがフィールドバスを初めて上回ったと判断しましたが、この展開は2019年も続いています。産業用Ethernetは、20%(昨年22%)という安定した成長率を示し、グローバル市場の59%(同52%)を占めるに至っています。産業用Ethernetのうち最大の市場シェアはEtherNet/IPの15%ですが、今やPROFINETが14%へと拡大し、ほとんど差がなくなりました。これにEtherCATの7%、Ethernet POWERLINKの5%、Modbus-TCPの4%が続き、いずれも着実な成長を見せています。

減少傾向のフィールドバス
フィールドバスが初めて-5%減少し(昨年は6%の成長)、新規設置ノードに占める割合は35%となりました。優勢なフィールドバスは依然としてPROFIBUSで世界市場の10%、これをCC-Linkが6%、Modbus-RTUが5%で追っています。

産業用Ethernetの成長とフィールドバス減少の背景
HMSの最高マーケティング責任者Anders Hanssonは次のように説明しています。「産業用Ethernetへの移行が続いているのは、高い性能に対するニーズに加え、工場設備や ITシステム/IIoTアプリケーション間の統合ニーズが後押ししているためです。フィールドバスは新規設置ノード数の減少が初めて実際に確認されました。産業用Ethernetに関しては、一般的なEthernet/IP・PROFINET・EtherCAT・POWERLINK ・Modbus-TCPを始め、その他のEthernetに分類される多数のネットワークで確かな成長が見られます。こうしたEthernetの多様性は非常に興味深いところです。1990年代にEthernetベースのネットワークが発展した当初に多くの人が予想した状況とは違い、未だに産業用Ethernetが1つの規格に標準化されていないことを示しています。フィールドバスと同様に、様々なEthernetネットワークが産業アプリケーションに応じた異なる目的に活用されています」。

堅調なワイヤレス通信ソリューション
ワイヤレス技術も成長率30%(昨年32%)で着実に成長し、全市場の6%(同6%)を占めています。ワイヤレスの中ではWLANが最も普及しており、続いてBluetoothとなっています。「新しく革新的な自動化アーキテクチャーを実現するために、機械メーカーやシステムインテグレーターの間でワイヤレス通信の採用がますます進んでいます。配線の削減が可能な上、接続性や制御性に関する新しいソリューションを創出できるからです。さらに、工場でのスマートかつフレキシブルな生産を可能にするものとして、モバイル通信技術(プライベートLTE/5Gネットワークなど)も世界的に活躍の場を広げているものと認識しています」と、Anders Hanssonは述べています。

地域ごとの特色
欧州および中東では、EtherNet/IPとPROFINETがリードしており、PROFIBUSもまだ広く使われています。その他、EtherCATとEthernet POWERLINKも普及しています。米国市場では CIP ネットワークが支配的であり、 EtherNet/IPへの移行が明確となっています。またEtherCATの市場シェア拡大も続いています。アジアでは、市場をリードするような突出したネットワークがないものの、PROFINET・EtherNet/IP・PROFIBUS・EtherCAT・Modbus そして CC-Link が広く使われており、Ethernet 系の CC-Link IE Fieldの勢いが増しています。




Anders Hansson、HMSインダストリアルネットワークスの最高マーケティング責任者

分析結果について:
 この分析結果には、2018年にFA分野で新規設置されたノード数に基づいてHMSが推計した2019年の予測値が含まれています。産業用ネットワークに接続された機械あるいはデバイスを1ノードとしています。ここで紹介した数値は、業界関係者の認識、HMS独自の販売統計情報、市場に対する全体的な見通しを合わせたHMSによるまとめです。