PLEシリーズ – ウェアラブルデバイスなどの小型電池を使用するアプリケーション向け超小型パワーインダクタについて
金属パワーインダクタPLEシリーズは、ウエアラブル機器に搭載される小型バッテリーでの動作時に効果を発揮する、高効率・低漏れ磁束の超小型パワーインダクタです。

- 当社独自の構造設計と新たな開発材料を用い、薄膜プロセスによって、L:1.0×W:0.6×H:0.7mmサイズでは2.2μHという高いインダクタンスでありながら定格電流500mAを実現しています。
- 本記事ではその構造や特徴、用途など皆様に役立つ情報を解りやすく解説します。
PLEシリーズのキーテクノロジ
PLEシリーズは2つのキーテクノロジで実現しました。 プロセス技術は薄膜HDDヘッドの技術を応用しており、今回高精度積層技術を高めることで、1.0 x 0.6 x 0.8mmサイズの金属パワーインダクタで2.2uH以上のインダクタンス値を実現しました。 また、TDKは材料メーカーとして様々な材料開発を行っており、新規に高透磁率かつ低ロス材の金属磁性材料を開発し、低損失・高効率のインダクタを実現しました。
プロセス技術/薄膜工法
PLEシリーズのキーテクノロジの一つはプロセス技術である薄膜工法です。薄膜工法は以下の様な特徴を持っています。
- 高精度な積層を実現し、ばらつきを抑えることが可能です。
- 2巻/層以上を実現し、小さな導体専有面積で高いインダクタンスを実現します。
- 上下の磁性材料厚みを確保し、漏れ磁束を抑えることが可能です。
図2に薄膜工法とインダクタの代表的工法である巻線工法及び積層工法との比較を示します。
図2 : 薄膜工法の特徴
材料技術
PLEシリーズのもう一つのキーテクノロジは材料技術です。今回新たに開発した高透磁率/低ロスの金属磁性材料を採用しており、1~2.5MHz帯域で高いQを実現できるように最適化しています。Qが高いほどACRが低くなる為、これによって高い電源効率を得る事が出来ます。
図3 : 新規磁性材料の特徴
PFMにおけるHi-Q特性の効果
小型バッテリーで駆動されるウエアラブル機器は、低消費電力が要求されるため電源駆動方式にPFM(Pulse Frequency Modulation)が使用されます。
PFMはPWM(Pulse Width Modulation)と比較するとDCバイアス電流が小さい為、消費電力を低く抑えられるメリットがありますが、ACバイアス電流が大きくなります。(図4)
従ってACR特性が重要になり、Hi-Q,低ACRのインダクタを使用する事で高い電源効率を実現する事が可能になります。(図5)
図4 : PFMとPWMの比較
図5 : PFMにおける電源効率の違い
漏れ磁束とノイズに対する効果
PLEシリーズは磁性材料の厚みを確保しやすい為、漏れ磁束を抑える事ができます。さらにコイルによって発生する磁束の向きを基板に対して水平することにより、ノイズの原因となるGND面への磁束の影響を抑え、ノイズを抑制することが可能です。図6に水平コイルと垂直コイルの基板GND面への磁束の影響を測定した結果を示します。
図6 : グランド面に対する磁束の影響
漏れ磁束とノイズに対する効果
- 小型バッテリーを使用し、DCDCコンバータにより高効率な回路を実現する小型デバイス
- 上記ウエアラブルデバイス
- 上記軽量を必要とするデバイス
主要な特徴と利点
- 高透磁率・低ロスの 金属材料
- 高精度積層精度の薄膜積層インダクタ
- 超小型形状で高いインダクタンス
- GND面に平行な磁束フローにより、低ノイズ
主な仕様
型番 :PLEA67BBA2R2M-1P
インダクタンス :2.2uH ± 20%
DCR :510mΩ typ.
Q @1MHz・. :Vac=0.2V 18~20
www.tdk.com