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EPLAN

HPS社は制御盤の設計製造にEPLAN Cogineerを活用しています

電気設計:自動化で時間を短縮 ― その効果は1台限りの製品でも


 
制御盤メーカーでその事前設計のプロセスを自動化できれば、プロジェクトに要する時間が短くなり、設計品質も向上するというメリットが生まれます。さらに、ドキュメント作成などのプロセスも容易に行えるようになります。では実際のところ、全プロセスでどれほど時間を節約できるのでしょうか? ドイツ制御盤メーカーのHanseatic Power Solutions GmbH(HPS)社はEPLAN Cogineerを導入し、制御盤の設計製造を数段階に自動化しました。同社は今、導入前後で実際に短縮できた時間を計算しています。その結果、効果が明確になりました。電気設計に限ると、設計は25%短縮されました。

HPS社が製造する制御盤は、発電所の非常電源供給用のほか、病院やクルーズ船の発電設備向けです。こうした非常に要求の厳しいエネルギー分野に応えられる制御技術を同社は設計・製造しています。その活躍は、2017年にHPS 社がアラブ首長国連邦に支社を開設したことからも明らかです。この支社では、同地域で発電所や製油所などを運営する顧客に向けて、営業からプロジェクトプランニング、保守サービスまで様々な業務を担っています。

目標:制御盤の設計製造を最大限に自動化
HPS社は、2009年の設立以来、社長のBernd Mähnss氏を中心としたチームが制御盤のプロジェクトプランニングや設計・製造を最大限に自動化することを最優先に取り組んできました。その結果、複雑なプロジェクト(80~100台の制御盤パネルで構成)であっても、受注から納入・設置まで6~8週で完了できるまでになりました。

こうした迅速な対応を可能にした理由の一つが、EPLANプラットフォームを一貫して利用していることです。それは、たとえ制御盤を1台だけしか生産しないというプロジェクトでも同じです。3Dレイアウト設計にはEPLAN Pro Panelを採用し、電力分配器や銅バーは、Pro Panelの中で3D設計を済ませます。また、(外部の)ケーブルアセンブリは配線モジュールをもとに設計しています。

回路図を素早く生成
HPS社とその顧客も、この数カ月にわたり、スループット時間が大きく短縮されたことに大きなメリットを感じています。EPLANがCogineerをリリースした際、HPS社は同ソフトウェアを最初に導入したお客様の1社でした。EPLAN Cogineerは、プログラミングを必要とせず、またコンフィグレーションやバリアント管理に専門的な知識が無くても回路図の自動生成が可能です。基本的なマクロに関する知識さえあれば、すぐに使い始めることができます。

1台限りの製品でも標準化を
制御盤を1台ずつ製造しているメーカーが、自動化や標準化を活用していると聞くと、最初は驚くかもしれません。HPS社の創立者で社長のBernd Mähnss氏は次のように話しています。「当社が扱うプロジェクトは、当然ながらどれも特殊仕様です。しかし、ビルオートメーションには換気制御回路や防火ダンパーなど繰り返し利用する機能やモジュールがあります。」そうした機能に関して、HPS社ではCogineerにマクロライブラリーを保存しておき、電気設計者が必要に応じてアクセスできるようにしています。HPS社でサービス・技術営業に加えてCogineerの運用も担当するDennis Burmeister氏は次のように説明しています。「ユーザーは必要な電源ユニットを選択するだけです。その他のすべては、モーターの保護や修理のための適切なスイッチ類から端子やケーブルの断面構造まで、自動的に決定され回路図に盛り込まれます。さらに機能の名称も回路図に自動的に挿入されます。」オプションもクリック操作で計画に含めることが可能です。たとえば、供給電力は発電機の電圧や契約の電圧をもとに選択できます。

ルーティングや熱特性などは、実績に基づいて
回路図は、選択したオプションや電源供給のタイプに応じて自動的に生成されます。しかしCogineerには、こうした設計の自動化以上のメリットがあります。「保存されているマクロは、すでに使った実績がありますので、問題が起きません。そのため、設計品質を改善できるという保証になります。設計者が電力値などを後で変更する際にも、時間のかかる込み入った作業を行う必要はありません。Cogineerが行ってくれるからです。」と、Dennis Burmeister氏は説明しています。この回路図の自動生成にはルーティング機能も含まれていますので、対応するEPLANモジュールを使えば、HPS社からフエニクス・コンタクト社へ端子類を直接かつ自動的に発注することもできます。また、EPLANソフトウェアで選択したすべての部品の消費電力計算にはRittal Thermを使っています。そのため、設計者は制御盤で»高温になる場所»を特定することも可能です。

次のステップ:EPLAN eViewによるペーパーレス生産の実現
長年HPS社は、プリントアウトした書類をバインダに綴じるかたちでドキュメントを用意するのを標準としてきました。しかし、これに替えて、各制御盤にQRコードを貼付することで、ユーザーもHPS社が管理する詳細なドキュメントをオンラインで閲覧できるようにしました。「これにより、»デジタルツイン»のような感覚で、実際のキャビネットの全ライフサイクルを通じて常にドキュメントが最新に保たれるという利点が生まれました。」と、Dennis Burmeister氏は話しています。その次のステップが、EPLAN eViewを利用したペーパーレス»工場»の実現です。Bernd Mähnss氏は次のように説明します。「当社で回路図を必要とするのはすでに検査の時だけになっています。生産現場では、レイアウトプランで十分です。さらに間もなく、検査ステーションにもeViewを配備する予定です。そうなると保守スタッフも規格準拠のドキュメントに直接コメントを記入できるようになります。これがさらなる時間の節約になり、作業の重複も避けられます。」

まとめ:自動化で大きな効率向上が可能に
EPLAN Cogineerを導入した後、HPSでは、自動化の有無によって受注処理の時間がどれだけ変わったかを比較しています。これにはCogineerに加えて、機械的な加工やケーブルと端子台の自動組立に関わるEPLANの効果も考慮されています。その比較結果によると、設計は25%短縮され、電気系プランニングに至っては80%も高速になりました。機械系の生産に必要な作業が半分になり、電気系の生産は40%早くなっています。またドキュメントの作成は、通常要する時間の4分の1で済むようになりました。「なにより、以前から当社の納期は他社より非常に短いと定評がありましたが、自動化とプランニングプロセスの統合でその納期がさらに約35%も短縮されました。同時に、ドキュメントも詳細になり、実績のあるマクロやモジュールを活用できることから設計品質も向上しました。」と、Bernd Mähnss氏は評価しています。したがって、今後もHPS社がこの取組みを続けていくのは当然と言えるでしょう。


HPS社は制御盤の設計製造にEPLAN Cogineerを活用しています
図1  HPS社は、非常電源供給など特に困難で重要なアプリケーションにおける電力技術の専門企業として世界的な評価を獲得しています。

 

HPS社は制御盤の設計製造にEPLAN Cogineerを活用しています
図3(画像提供:EPLAN) EPLAN Cogineerでは、全くプログラミングを必要とせず、またコンフィグレーションやバリアント管理に専門的な知識が無くても回路図の自動生成が可能です。



HPS社は制御盤の設計製造にEPLAN Cogineerを活用しています
図4 HPS社の創立者で社長のBernd Mähnss氏は、「プランニングプロセスの自動化と統合で約35%も時間を節約できました。当社にとって明らかな競争上の強みです」と話しています。

 


HPS社は制御盤の設計製造にEPLAN Cogineerを活用しています
図5 HPS社でサービス・技術営業を担当する Dennis Burmeister氏は、「EPLAN Cogineerの採用で実現したのは時間の節約だけではありません。マクロとして保存しておけば、実績のある適切な要素を再利用できるため、設計品質も向上しました。これは当社だけでなく、お客様にも大きなメリットです」と話しています。

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