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インフィニオン、高出力SiCテクノロジーによりElectreon社の走行中ワイヤレス給電道路の向上に貢献
インフィニオンがカスタマイズしたSiCモジュールが電力密度を最大化し、電気自動車は小型化したバッテリーで1日24時間走行が可能に。
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インフィニオン テクノロジーズ は、電気自動車 (EV) 向けワイヤレス給電ソリューションの大手プロバイダーであるElectreon に対し、その動的な道路内給電技術向けにカスタマイズした炭化ケイ素 (SiC) パワーモジュールを供給します。このワイヤレス電気道路システム (wERS) は、電磁誘導技術を用いてEVをワイヤレス給電します。路面下に埋め込まれた銅コイルが、走行中のバス、トラック、その他のEVに電力を伝送します。このシステムは電力網に接続されており、コイルの真上にある車両に給電します。インフィニオンがカスタマイズしたSiCモジュールがアプリケーションの中核を成し、電力網から供給されたエネルギーを効率的に変換してバッテリーをシームレスにワイヤレス給電をします。Electreonのシステムは、これらのモジュールを利用して性能、信頼性、エネルギー効率を最大化します。この技術は、高速道路、有料道路、港湾のような交通量の多いその他のエリア、空港などの重要な交通拠点に特に有益です。
このシステムの電力伝送は、Electreonの要求を満たすように特別に開発されたインフィニオンのEasyPACK™ 3B CoolSiC™ 2000 Vモジュールを使用して、平均200 kW、ピーク時に300 kW超まで引き上げられます。この性能は、走行中の大型および中型トラック、バス、バン、乗用車をワイヤレス給電する世界初の高速道路である、フランスのA10高速道路で最近達成された画期的な成果によって確認されました。走行中の継続的な充電によってバッテリーの満充電が維持されるため、車両の走行距離が延び、使用するバッテリーパックが小型化します。その結果、車両の初期コストが下がり、車両が軽量化し、貨物搭載スペースが拡大します。Electreonは、インフィニオンがカスタマイズしたEasyPACK 3B CoolSiC 2000 Vモジュールを米国、ドイツ、フランス、ノルウェー、ポルトガル、スウェーデン、イタリア、イスラエル、日本のテスト トラックにすでに導入しました。現在、さらに長距離の次のプロジェクトにこの技術を取り入れる計画があります。
インフィニオンのインダストリアル&インフラストラクチャ セグメントのエグゼクティブ バイス プレジデント兼最高販売責任者であるドミニク ビロ (Dominik Bilo) は「Electreonのワイヤレス給電システムは、輸送における炭素排出量の削減に向けた路上の真のゲーム チェンジャーです。インフィニオンは、Electreon特有のニーズに合わせてカスタマイズした、電気エネルギーを効率的に変換して走行中の車両に給電するSiCパワーモジュールによって、この画期的なイノベーションに貢献できることを誇りに思います。このソリューションは、環境に負荷を及ぼさない未来に貢献し、脱炭素化とデジタル化をさらに推進するという当社の目標に完全に合致しています」と述べています。
ElectreonのCEOであるオレン エゼル (Oren Ezer) 氏は「EVのワイヤレス給電は今日すでに実現しており、Electreonはこの変革の最前線に立っています。Electreonは、インフィニオンの先進的なSiCテクノロジーを活用して道路内給電をさらに強力かつ効率的にし、電動バスやトラックが従来の充電ステーションに依存せずに継続的に走行できるようにします。このブレークスルーによって走行コストが削減され、排出量が低減し、EVの導入が世界規模で促進されるでしょう。世界中でワイヤレス給電が採用されつつあり、当社はその先頭に立っていることを誇りに思います」と述べています。
SiCベースの半導体は、電源のスイッチング周波数を上げてエネルギー損失を低減し、設計の小型化を可能にすることでEV充電のような高出力アプリケーションに革命をもたらしました。これらの半導体は、過酷な条件下でも高い信頼性と堅牢性を発揮し、シリコンよりはるかに効率的に熱を放散します。
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