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ヒューマノイドロボティクス研究拠点の国際展開

シェフラーは南洋理工大学と連携し、ロボティクスおよび人工知能分野の研究開発を強化するための新研究所を設立した。

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ヒューマノイドロボティクス研究拠点の国際展開

シェフラーは、シンガポールの南洋理工大学(NTU)とのパートナーシップを拡張し、ロボティクスおよび人工知能を重点分野とする研究所を新設した。研究所は敷地面積約900平方メートルで、ヒューマノイドロボティクスを含む次世代モーション技術の研究と実装を目的としている。

ヒューマノイドロボティクスを成長分野と位置付ける背景
ヒューマノイドロボティクスは、産業用途からサービス分野まで幅広い応用が想定されており、精密機械要素、アクチュエーション、制御技術を強みとする企業にとって重要な技術領域となっている。シェフラーは、ヒューマノイド向けコンポーネントのユーザーであると同時にサプライヤーとしての立場を活かし、この分野を中長期的な成長領域と位置付けている。

同社は近年、複数のヒューマノイドロボットメーカーと、コンポーネント供給を含むパートナーシップを発表しており、今後は世界各地の生産拠点にヒューマノイドを段階的に導入する計画を示している。

NTUとの共同研究体制とオンキャンパス拠点
今回開設された研究所は、NTUキャンパス内に設置されるオンキャンパス型研究拠点であり、シェフラーのグローバル研究ネットワークの一部を構成する。NTUは、シェフラーの先端研究プログラム「SHARE(Schaeffler Hub for Advanced Research)」に参画する主要機関の一つであり、同プログラムは世界各地の大学と産業界を結ぶ国際的な研究連携を目的としている。

オンキャンパス拠点の設置により、大学研究者や学生との日常的な技術交流が可能となり、基礎研究と産業応用の距離を縮める研究環境が構築される。

研究テーマと技術的焦点
新研究所では、ヒューマノイドロボティクスを中心に、協働ロボットおよび自律型モバイルロボットプラットフォームに関する研究が進められている。これらの分野では、機械要素設計、モーション制御、AIによる認識・判断機能の統合が重要な技術課題となる。

シェフラーは、これまで培ってきたモーションテクノロジー分野の知見を活用し、研究成果を量産可能な技術へと移行させることを重視している。研究所は、基礎研究から製品開発への技術移転を加速する役割を担う。

研究と産業を結ぶ知識移転モデル
NTUとの協業は、単なる共同研究にとどまらず、研究成果を実用技術へと展開する知識移転の枠組みとして位置付けられている。研究者とエンジニアが同一拠点で協働することで、技術的検証と実装検討を並行して進めることが可能となる。

このような連携モデルは、ロボティクス分野における技術成熟のスピードを高め、実環境での適用を前提とした開発を促進する。結果として、研究成果が市場性のある技術へと移行するまでの時間短縮に寄与する。

ロボティクス分野における技術パートナー戦略
シェフラーは、先進的な研究機関との連携を通じて、ヒューマノイドロボティクス分野における技術パートナーとしての立場を強化する方針を示している。産業用途で求められる信頼性、再現性、量産性を前提とした技術開発は、学術研究と製造技術の両立を必要とする。

今回のNTU研究所の設立は、グローバルな研究ネットワークを活用しながら、ロボティクス技術の実用化を進める取り組みの一例といえる。

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