超低消費電力NPU SoCでエッジAIを高度化
AmbiqがSPOT基盤のAtomiq SoCで、常時接続型エッジAI処理を実現。
ambiq.com

エッジAI/超低消費電力半導体向けSoC
超低消費電力半導体技術を手がける Ambiq は、SPOT®(Subthreshold Power Optimized Technology)を基盤としたNPU内蔵システムオンチップ(SoC)「Atomiq®」を発表した。Atomiqは、エッジAIデバイスにおいて、オーディオ、ビジョン、推論処理を常時接続・リアルタイムで実行することを目的として設計されている。
エネルギー制約下でのAI処理を前提とした設計
エッジAIでは、AIモデルの高度化に伴い、消費電力、発熱、バッテリー寿命の制約が設計上の主要課題となっている。Atomiqは、演算性能と電力効率を同時に最適化することを目的に、SoC全体をシステムレベルで設計しており、バッテリー駆動環境においても持続的なAI処理を可能にする構成を採用している。
SPOT最適化NPUによるオンデバイスAI性能
Atomiqは、SPOT技術をNPUに適用した初のSoCとされており、サブスレッショルドおよびニアスレッショルド電圧動作を活用することで、エネルギー効率を大幅に向上させている。
NPUには Arm の Ethos™-U85 を統合し、200GOPSを超えるオンデバイスAI性能を実現する。スパース性の活用やオンザフライ重みデコンプレッションに対応し、コンピュータビジョン、多言語音声認識、各種センサーモデルといった計算負荷の高いワークロードをクラウドに依存せず実行できる。
動的電圧・周波数制御による常時接続動作
SPOT技術に基づく広範囲な動的電圧・周波数スケーリング(DVFS)により、Atomiqは従来より低い電圧領域での安定動作を可能にしている。これにより、常時センシングや常時推論を前提としたエッジAIアプリケーションでも、電力バジェット内で高度な処理を維持できる。
ソフトウェア基盤と開発効率
AmbiqのHelia™ AIプラットフォームは、AI開発キット(ADK)およびモジュール型のneuralSPOT® SDKと連携し、ハードウェアとソフトウェアを統合した開発環境を提供する。これにより、メモリ使用量と消費電力を抑えながらAIモデルを実装でき、エッジAI製品の開発期間短縮に寄与する。
想定される適用分野
Atomiqは、スマートカメラやセキュリティ機器、ARグラスや各種ウェアラブル、産業用エッジシステムやロボティクスなど、電源や冷却に制約のある環境でのAI処理を想定している。これらの用途では、クラウド接続に依存しないデバイス内処理による応答性と省電力性が重要な要件となる。
今後の展開
Ambiqは CES 2026 において、Atomiqを含むエッジAIエコシステムの展示を予定している。会話型ARグラスや自律型産業ロボットといった将来用途を見据え、より高いAI処理要求に対応するSoCアーキテクチャの方向性を示すとしている。
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