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ルネサス、650V双方向GaNスイッチで電力変換を簡素化

DCブロッキング内蔵により部品点数削減と高効率化を実現し、太陽光やAIデータセンター向け電力変換設計を最適化。

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ルネサス、650V双方向GaNスイッチで電力変換を簡素化

太陽光発電、AIデータセンター、車載オンボードチャージャー(OBC)などの電力変換用途では、高効率と回路簡素化が求められており、ルネサス エレクトロニクス株式会社は650V耐圧の双方向GaNスイッチを投入し、単一デバイスで双方向電流遮断を可能にすることで設計最適化に対応します。

ルネサスは、650Vクラスの双方向GaNスイッチ「TP65B110HRU」を発売し、量産出荷を開始しました。本製品はDCブロッキング機能を内蔵し、正負両方向の電流を単一デバイスで制御可能です。従来、バック・トゥー・バック構成で2つのFETを必要としていた設計を1デバイスで置き換えることができ、電力変換回路の構成を簡素化します。

単段トポロジーによる効率向上と部品削減
従来の電力変換回路では、SiやSiCベースの単方向スイッチが主流であり、複数段の変換構成や複数のスイッチングブリッジが必要でした。単段コンバータ設計では、単方向スイッチをバック・トゥー・バックで使用するため、スイッチ数の増加と効率低下が課題となっていました。

本製品は双方向GaNとしてDCブロッキング機能を集積しており、より少ないスイッチで単段トポロジーを構成可能です。例えば太陽光マイクロインバータでは、2つの双方向GaNスイッチのみで回路構成が可能となり、スイッチ数を従来比で半減できます。また、中間DCリンクコンデンサが不要となるため、システムの簡素化と部品削減につながります。

GaN特有の低ゲート電荷により高周波スイッチングが可能であり、高電力密度設計に適しています。単段マイクロインバータ構成では、97.5%を超える電力変換効率が確認されています。

標準ゲートドライバ対応と高い動作安定性
本製品は、ルネサス独自のSuperGaN技術を採用し、高耐圧D-mode GaNと低耐圧Si MOSFETを組み合わせたカスコード構造を採用しています。この構成により、ノーマリーオフ動作を実現しつつ、標準的なゲートドライバで駆動可能です。

しきい値電圧3V、ゲート耐圧±20Vに対応し、負バイアスを必要としないため、ゲート駆動回路の簡素化とコスト削減が可能です。さらに、ソフトスイッチングおよびハードスイッチングの両方に対応し、高速かつ安定したスイッチングを実現します。

100V/nsを超えるdv/dt耐性により、Vienna整流器などのハードスイッチング用途においてもリンギングを抑制し、スイッチング遷移の安定性を向上させます。

システム統合と設計効率の向上
双方向GaNスイッチの導入により、基板面積の削減、部品点数の低減、システムコストの最適化が可能となります。また、ルネサスのゲートドライバ、コントローラ、電源管理ICとの組み合わせにより、システムレベルでの統合が容易になり、設計期間の短縮にも寄与します。

ルネサスは本製品を含むソリューションを、2026年3月22日~26日に米国テキサス州サンアントニオで開催されたApplied Power Electronics Conference 2026(ブース1219)にて展示しました。

主な用途と位置付け
本製品は、太陽光マイクロインバータ、AIデータセンター電源、車載OBC、三相Vienna整流器など、高効率かつ高密度な電力変換が求められる用途に適しています。単段電力変換設計を実現することで、システム全体の効率向上と構成簡素化を両立します。

双方向GaNスイッチは、従来のSiおよびSiCベースの単方向スイッチ構成と比較して、スイッチ数削減と高効率化を同時に実現できる点が特徴であり、特に高周波動作と高電力密度が求められる設計において有効です。

ナタニア・リンゴドー(Induportals 編集者)編集 — AIにより適応

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