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浮体式データセンター共同開発
商船三井と日立、船舶活用デジタルインフラを共同検証。
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デジタルインフラおよびデータセンター分野において、株式会社商船三井、株式会社日立製作所、株式会社日立システムズは、中古船を改造した浮体式データセンター(FDC)の開発・運用・商用化に向けた技術提携を開始した。本取り組みは、生成AI需要の拡大に対応する新たなデータセンター供給モデルの確立を目的とする。
協業の背景と課題
生成AIの普及により、データセンター需要は急速に増加している。一方で、都市部では大規模用地の確保が困難となり、電力や冷却水などのインフラ制約、環境規制、災害リスクといった課題が顕在化している。
特に水冷式への移行が進む中、冷却用水資源の確保や地域社会との調整が新たな課題となっている。
浮体式データセンターの技術的特徴
本プロジェクトでは、中古船を改造した浮体式データセンターを活用することで、これらの課題への対応を図る。FDCは港湾や河川に設置可能であり、大規模な土地取得を必要としない点が特徴である。
また、海水や河川水を利用した水冷システムの導入により、冷却効率の向上と電力消費の削減が見込まれる。さらに、浮体構造により需要に応じた移設が可能であり、柔軟なインフラ運用を実現する。
各社の役割と技術分担
本協業において、商船三井は船舶改造計画の推進、港湾当局との調整、係留および保守を含む海上運用の要件整理、資金調達スキームの検討を担当する。
一方、日立製作所および日立システムズは、データセンターの設計・建設・運用に関する技術検討、ネットワークやセキュリティを含むITインフラ要件の定義、顧客ニーズの整理および市場開拓を担う。
また、日立グループのデジタルソリューション「HMAX」を活用し、将来的にはデータセンター運用の高度化および効率化を図る計画である。
実装計画と展開地域
本取り組みは基本合意書に基づき、日本、マレーシア、米国を中心に需要検証および仕様策定を進め、2027年以降の稼働開始を目指す。
各地域における既存データセンター運用実績を活用しながら、FDCの実用性および事業性の検証が行われる。
技術的および運用上の利点
FDCは、従来の陸上型データセンターと比較して、建設期間を最大約3年短縮できる見込みである。また、既存船体の再利用により、原材料調達に伴う環境負荷の低減と初期投資の削減が期待される。
加えて、大型船舶の広い床面積を活用することで、大規模データセンターに匹敵する設備容量を確保できる。
今後の展望
3社は、浮体式データセンターという新たなインフラ形態の実用化に向けて検証を進め、AI需要に対応した柔軟かつ持続可能なデジタルインフラの構築を目指す。
産業ジャーナリスト、レクシュマン・ラムダス編集(AI支援)
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