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20
'12
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WIDIA
WIDIAチームがHaimer GmbHと提携してSAFE-LOCK™を提供:エンドミル用の次世代引き抜き防止具
WIDIA™からお客様にHaimer GmbHのSAFE-LOCKシステムを提供できるようになりました。SAFE-LOCK™システムは、丸シャンク切削工具用の引き抜き防止アダプターシステムで、重切削加工での安全性を強化します。確動的固定機構を高精度のセンタリングと組み合わせ、プロセスの信頼性を向上し、切削工具の寿命を延ばし、生産性を高めます。
チタン合金、INCONEL®、新アルミニウム合金など、先進の高張力軽量素材への開発に対する継続的な投資が、航空宇宙、防衛、エネルギー、運輸などさまざまな業界の製造業者によって行われています。これらの新素材は機械加工の大きな課題となっているだけではなく、これら国際的な業界が効率的な製造ソリューションを見つけることを最優先させる強いプレッシャーともなっています。「この数年、このような機械加工を容易にする高性能な切削工具が市場に出回るようになってからは、特にその傾向が強くなっています」と語るのは、WIDIA工具システムの主席製品マネージャーのDoug Ewaldです。「多くの業界で製造リソース(工作機械、切削工具、工具保持システム)をアップグレードし、機械加工に失敗して高価な部品をスクラップにしてしまうことのないよう、高いトルク、送り量および切削抵抗に耐えるものを整備する動きが起こっています。」
このような極度に大きな力がかかる状況では、ツールホルダーからミーリングカッターが引き抜かれるリスクがかなり高まっています。焼きばめなどのツールホルダーは摩擦のみで工具を固定します。精度には優れていますが、そのクランプ力は粗加工には不十分な場合があります。
ここ数年、業界からは切削工具にWeldon®シャンクが必要だという要望がよく寄せられていました。クランプねじで定位置に固定するためのドライブフラットが付いたWeldonストレートシャンクは、引き抜き力に対する補償となり、粗加工や他の高切り屑除去率加工で可能な限りエンドミルをしっかりと駆動するために開発されました。クランプねじで確動的固定が行えるため、安全上の理由から重切削加工には標準Weldonホルダーを使うユーザーが全体の約70%を占めると推定されます。しかし、特徴的なオフセットと、ホルダーボア内で切削工具が1ラインでしか接触しないことから、工具の精度と振れの面では劣ります。そのため工具寿命が短くなります。
信頼性の高い高性能ミーリング
SAFE-LOCKは、丸シャンク切削工具用の引き抜き防止システムです。らせん状の溝が工具のシャンクに加工されています。この構造とホルダー内の各ピンドライバーが、過酷な加工条件のもとで工具の回転とホルダーからの引き抜きを完全に防止します。SAFE-LOCKの溝がらせん状に加工されているため、工具の長さが調整可能で、工具を通常どおり再研磨し、プリセットすることができます。
SAFE-LOCKは高速加工のほか切り屑除去率の高い状況でも使用できるため、焼ばめ技術など最新のツールホルダーシステムと組み合わせることができます。チャックを通常どおり加熱し、工具を少しひねるようにして挿入します。工具をロック位置に回すと、SAFE-LOCKシステムの固定要素が自然に溝にはまります。工具を遊びなしで位置決めできるようにスプリングを利用することも可能です。ホルダーは数秒もすると温度が下がり、圧入と確動的な固定が行われます。
焼きばめ時の同心度精度は3 µm(0.00012インチ)未満であり、Weldonチャックのどの標準クランプよりも10倍も高精度です。このようにして実現される安定的で正確な工具のクランプにより、ユーザーはこれまでよりもずっと大きな切込み量と送り量で加工できます。具体的なメリット:時間の節約、生産性向上、廃棄率低下、振動低減、そしてオペレーターの安心がメリットです。