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05
'20
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XILINX News
ザイリンクス、クラウド データセンター向けのターンキー ソリューションとしてネットワーク、ストレージ、コンピューティングを高速化できる業界初の SmartNIC プラットフォームを発表
OCP 3.0 フォーム ファクターの XtremeScale イーサネット アダプターと世界初となる FPGA ベースの OCP アクセラレータ モジュールの PoC (概念実証) を発表.
ザイリンクス社 (本社: 米国カリフォルニア州サンノゼ、NASDAQ:XLNX) は、2020 年 3 月 3 日、単一デバイスでネットワーク、ストレージ、コンピューティングの高速化を実現できる業界初の SmartNIC プラットフォームを発表した。 AlveoU25 SmartNIC は、ネットワークに対する需要の高まりとコストの増加に直面しているクラウド サービス プロバイダー、通信会社、およびプライベート クラウド データセンター事業者向けに開発され、効率性の向上と TCO (Total Cost of Ownership:総保有コスト) 削減をもたらす。
U25 は、高度に最適化された SmartNIC プラットフォームであり、完全にプログラム可能なターンキー アクセラレーション アプリケーションをサポートする高性能かつ柔軟性のある FPGA ベースのエンジンを備えている。U25 は、高度に最適化された SmartNIC プラットフォームであり、完全にプログラム可能なターンキー アクセラレーション アプリケーションをサポートする高性能かつ柔軟性のある FPGA ベースのエンジンを備えている。
さらにザイリンクスは、Open Compute Project (OCP) Spec 3.0 フォームファクターで初の XtremeScaleイーサネットアダプターカードと、世界初となる FPGA ベース OCP アクセラレータ モジュール (OAM) の PoC (概念実証) を発表した。
Dell’Oro Group のリサーチ ディレクターである バロン・ファング (Baron Fung) は次のように述べている。クラウド サービス プロバイダーは、容量を拡張しつつ、より多くの SmartNIC を採用することで、貴重な CPU コアをビジネス アプリケーションに解放し、サーバーの使用率を最適化できます。今後、さらなる成長が期待されている通信事業者は、NFV や AI 推論などのアプリケーション向けに、ネットワークのコアからエッジに至るまで SmartNIC の導入を検討しています。Alveo U25 などの FPGA をベースとする SmartNIC は、拡大する市場機会に対応できる最適なソリューションと言えます。」
高速クラウドを実現する統合型 SmartNIC プラットフォーム
ネットワーク ポート速度の向上に伴い、ティア 2およびティア 3 のクラウド サービス プロバイダー、通信事業者、プライベート クラウド データセンター事業者は、ネットワーク技術の実装課題やそれに伴うコストの増大に直面している。そして、SmartNIC の開発と運用には膨大な研究開発費がかかることが導入の拡大を妨げている。Alveo U25 SmartNIC プラットフォームは本格的なプラグアンドプレイ機能を提供するため、SmartNIC の利用拡大を促進し、これらの課題を解消できる。
業界最先端のザイリンクス FPGAを搭載した Alveo U25 SmartNIC は、SoC ベースの NIC より高スループットで適応性に格段に優れたエンジンを提供するため、クラウドアーキテクトはさまざまな機能やアプリケーションを簡単に高速化できる。このプラットフォームは、不要なデータ移動や CPU 処理を排除して効率を最大限に高め、Bump-In-The-Wire (BITW) 方式でネットワーク、ストレージ、コンピューティングのオフロード機能およびアクセラレーション機能の実装可能にする。これにより、CPU の負荷が大幅に削減され、リソースが解放されることでより多くのアプリケーションが実行できる。
また、組み込み ARM プロセッサが、独自の画期的なコントロール プレーンによる処理機能を提供し、新しいベアメタル サーバーのユースケースをサポートする。基本の NIC では、超高スループット、小パケットパフォーマンス、および低レイテンシを実現できる。Onload®アプリケーション アクセラレーション ソフトウェアを含む標準のフル機能搭載 NIC とドライバーを使用した場合、レイテンシを最大 80% 削減し、クラウドベース アプリケーションで TCP (伝送制御プロトコル) サーバー アプリケーションの効率を最大 400% 向上させることが可能である。
ザイリンクスのデータセンター グループ マーケティング担当バイス プレジデントであるドナ・ヤセイ (Donna Yasay) は次のように述べている。「今日のクラウド インフラストラクチャは、サーバー I/O に起因する重大なデータ処理問題に直面しています。ネットワークの I/O 処理用に割り当てられているデータセンターのコンピューティング リソースは最大 30% であり、オーバーヘッドは CPU コア数と共に増加し続けます。ザイリンクスは、ネットワークへの需要の高まりから生じた問題を解決すべく、ターンキーのアクセラレーション アプリケーションと、基本のネットワーク技術を超える高度な機能をすぐに利用でき、運用までの時間を短縮する SmartNIC を提供します。」
市場投入までの時間を短縮する、すぐに使えるアクセラレーション アプリケーション
Alveo U25 SmartNIC プラットフォームでは、ティア 1 以外のクラウド/データセンター事業者でも SmartNIC を簡単に運用して、すぐに収益化できるターンキー アクセラレーション アプリケーションの利用が可能である。U25 SmartNIC は、ザイリンクスおよび独立系ソフトウェア ベンダーが提供するターンキー アプリケーションをサポートする。プログラミング モデルとして HLS や P4 などの高レベルのネットワーク プログラミング言語をサポートし、ザイリンクスおよびサードパーティのアクセラレーション アプリケーションに対応するために Vitis統合ソフトウェア プラットフォームなどの計算アクセラレーション フレームワークもサポートする。
Alveo U25 SmartNIC で利用できる最初のアクセラレーション アプリケーションは、Open vSwitch (OVS) のオフロード/アクセラレーションである。このプラグアンドプレイ ソリューションは、90% 以上の OVS 処理をサーバーからオフロードし、パケット スループットを 5 倍以上向上させることが可能。今後リリースを予定しているザイリンクスのターンキー ソリューションは、SSL/TLS、AES-256/128、分散ファイアウォールなどのセキュリティ機能や AI 推論の高速化である。
Alveo U25 SmartNIC は、現在早期アクセスのお客様向けにサンプル提供している。一般提供の開始は 2020 年の第 3 四半期を予定している。
業界初の OCP 3.0 イーサネット アダプターおよび OCP アクセラレータ モジュール
ザイリンクスはまた、OCP Spec 3.0 フォームファクターの新しい XtremeScale X2562 10/25Gb イーサネット アダプター カードを発表した。XtremeScale X2562 は、マイクロ秒未満のレイテンシと高いスループットおよび膨大な規模のコネクティビティを同時に実現することにより、パケット情報やフロー情報を数千規模の仮想 NIC にリアルタイムで送信することが可能であるX2562 は、現在サンプリング段階であり、2020 年の第 2 四半期に一般提供の開始を予定している。
さらに、ザイリンクスは世界初となる FPGA ベースとした Open Compute Accelerator Module (OAM) のPoC (概念実証) について発表した。Open Accelerator Infrastructure (OAI) 準拠で、8GB HBM メモリを搭載したザイリンクス UltraScale+ VU37P FPGA ベースのメザニン カードは 7 つの 25Gbps x8 リンクをサポートし、分散アクセラレーションのための豊富なモジュール間システム トポロジを可能にする。
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