業界最高クラスの精度を誇る、産業オートメーション用光結合型デルタシグマモジュレータ「RV1S9353A」を発売
高精度な電流検出と電圧検出を提供し、デジタルフィルタ内蔵のマイコンなどに直接接続可能.
ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、光結合型デルタシグマ(ΔΣ)モジュレータ「RV1S9353A」を発売しました。RV1S9353Aは、10MHzクロック出力の光結合型デバイスとして、業界最高クラスの精度を実現します。新製品は、入力されたアナログ電圧を1ビットのデジタルデータ列に変換する有効ビット数13.8ビット(標準値)の高精度A/Dコンバータが搭載されています。RV1S9353Aは、ルネサスのMPU「RZ/T」や32ビットマイコン「RX72M」の他、デジタルフィルタを内蔵するマイコンやSoC、FPGAに直接接続できます。RV1S9353Aは、ロボットコントローラをはじめ、さまざまな製造装置に使われているACサーボ、NCサーボに使用できます。RV1S9353Aの参考価格は、1,000個一括購入時に2.41米ドル/個(税別)です。
産業用機器をより高精度に制御する必要があることから、高精度な光絶縁型デバイスへのニーズが高まっています。RV1S9353Aは、低入力オフセット電圧ドリフト、高SNR、リファレンス電圧の低い温度ドリフト、そして高い入力抵抗等、最高クラスの高精度センシング機能でこのニーズに応えます。モジュレータのオフセット電圧ドリフトが低いことにより、セットでのオフセット補正が簡単になります。RV1S9353Aは、5000V rmsの絶縁耐圧と8mm沿面距離パッケージにより、コンパクトな200Vおよび400Vモータ駆動装置に最適です。
また、設計の効率化、標準化が求められる中、RV1S9353Aは入力抵抗500kΩ(標準値)により電流検知と電圧検出を両立させることで、設計の簡素化を可能にしました。特に大きなメリットとして、ユーザはΔΣモジュレータの出力とデジタルフィルタを接続することにより、アナログフィルタとその他の複数のコンポーネントで構成された従来のアナログ絶縁アンプを使用する複雑な設計が不要になります。
ルネサスのインダストリアル・コミュニケーション事業部、通信&モータ制御担当Vice PresidentのChris Stephensは次のように述べています。
「RV1S9353AΔΣモジュレータは、今日のスマートファクトリをさらに進化させるために必要な最高の精度をお客様に提供します。高い入力抵抗と、電流検出と電圧検出の両方が可能であるという特徴を備えているため、UL、CSA、VDEなどの安全規格を満たしながら設計を簡素化し、コストを抑えることができます。」
RV1S9353AΔΣモジュレータの主な特長
- 入力オフセット電圧温度ドリフト(最大)2.5µV/°C
- SNR(標準値)85dB
- 基準電圧 許容範囲 ±0.5%
- 基準電圧温度ドリフト(標準値)30ppm/°C
- 高入力抵抗(標準値)500kΩ
- 瞬時同相除去電圧CMR(標準値)25kV/us
- 動作周囲温度範囲(最大)-40°C~110°C
- ピンピッチ1.27mm、8ピンSDIP