www.engineering-japan.com
20
'20
Written on Modified on
Rohde & Schwarz
ローデ・シュワルツから、衛星通信ペイロードの試験に向けた新しいQ/VバンドRFアップコンバータが登場
衛星回線のエンドユーザーがもっと高速なデータ速度を安定的に利用できるよう、衛星運用事業者は、Q/Vバンドなど、さらに広い帯域幅が利用可能な高い周波数帯を活用するようになっています。そこでローデ・シュワルツでは、新しいRFアップコンバータR&S SZV100Aをもとに、VHTS(very high throughput satellite)の通信ペイロードにおける広帯域トランスポンダの試験に向けたソリューションをご用意しました。このR&S SZV100Aは、2 GHzという変調帯域幅を備え、36~56 GHzの全周波数域をカバーします。
Q/Vバンドなら、衛星へのフィーダリンクに対してより広い帯域幅が使え、今後見込まれる高いビットレートでのデータ回線を実現するのに理想的です。たとえば、エンドユーザーに大容量データを提供できる将来の通信やセルラー回線のバックホール・ネットワークなどです。従来の静止衛星の運用事業者に加え、New Space(ニュースペース)時代の低軌道周回衛星を運用する事業者が、こうした新しい衛星通信帯域の強みを認識しつつあります。
そのため、Q/Vバンドのマイクロ波用コンポーネントには高い要求が向けられており、その開発と検証を通じて広範なテストをクリアする必要があります。アンプやコンバータ、レシーバなどのモジュールや衛星に搭載のあらゆる機器は、Q/Vバンドでの試験を要するコンポーネントのごく一部の例に過ぎません。しかしながら、そうした衛星搭載機器の試験装置は特に、信号品質に対する非常に高い要件を満たす必要があります。これに対し、Q/VバンドRFアップコンバータR&S SZV100Aはベクトル信号発生器R&S SMW200Aと合わせて、VHFからVバンドまで全ての衛星通信帯を連続的にカバーするとともに、5GおよびQ/Vバンドの周波数帯にも対応します。
試験用セットアップとしては、ベクトル信号発生器R&S SMW200A、RF/マイクロ波信号発生器R&S SMA100B、Q/VバンドRFアップコンバータR&S SZV100Aで構成します。その卓越したRF性能をもとに、R&S SMW200Aが最大帯域幅2 GHzによる幅広い変調IF信号を提供する一方で、R&S SMA100Bが高精度なLO信号を用意します。さらにR&S SZV100Aは+16 dBm(1dB圧縮ポイント)という高い最大出力パワーも備えています。
R&S SZV100Aのコンパクトな筐体設計と軽量性、マウンティング・ポイント配置により、たとえば熱真空チャンバ(thermal vacuum chamber:TVAC)のすぐ外など試験対象の可能な限り近くに設置できます。IF信号やLO信号源とR&S SZV100Aとの距離を10mと大きくとることもできますので、最適な試験用セットアップを実現可能です。
このアップコンバータと信号発生器は、LAN接続を介してPCソフトウェアによる遠隔操作が可能です。そのR&S SZV遠隔制御ソフトウェアを使えば、全機器のセットアップをシンプルかつ容易に構成できます。
R&S SZV100Aは、既存の試験システムを低コストにアップグレードするのにも最適です。優れた制御ソフトウェアにより、R&S SZV100A・R&S SMW200A・R&S SMA100Bからなるセットアップを1台の機器で運用可能です。このR&S SZV100Aは、今すぐローデ・シュワルツからご購入いただけます。
すべてのプレスリリースは、画像のダウンロードを含め、http://www.press.rohde-schwarz.comからインターネットでご提供しています。