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MURATA News
「CEATEC AWARD 2020」オープン部門 準グランプリを受賞 熱により広帯域な音波を発生させる非振動型広帯域超音波発生デバイス
株式会社村田製作所(本社:京都府長岡京市、代表取締役社長:中島 規巨、以下「当社」)は、熱エネルギーにより空気を膨張させ、広帯域の音波を発生させる非振動型広帯域超音波発生デバイス(以下、本開発品)が、「CEATEC 2020 ONLINE」において「CEATEC AWARD 2020」オープン部門 準グランプリを受賞したことをお知らせします。
「CEATEC AWARD 2020 審査委員会」による選評は次のとおりです。
イメージセンサとして、暗闇でのセンシング、透明体の検知、プライバシーの確保なども可能なほか、ミリ波レーダーの苦手とする小さい物体の検知や段ボールなどの反射率の低い物体の検知が可能。その他にもさまざまなセンサが存在するなか、苦手な部分を補完することで更に高度なセンシングが可能で、今後、多様な用途の開発が期待できる。ニューノーマル社会に向けた非接触のユーザーインターフェースや心拍などのバイタルサイン検知など、これからの新しい世の中を作る技術としての社会への貢献性が評価された。
非振動型広帯域超音波発生デバイスについて
民生用や業務用機器として自律走行ロボットやドローンなどが普及期を迎え、高度な自律走行・遠隔操作を行うため、正確な周囲検知に対する重要性が高まっています。本開発品はさらなる高精度なセンシングニーズに応えるべく、広帯域超音波を活用して周囲を正確に認識するコウモリのエコーロケーション※1を工学的に応用したものです。従来の超音波センサはデバイス自体が振動することで超音波を発生させていますが、本開発品は熱エネルギーで周囲の空気を膨張させることにより超音波を発生させています。このため、リンギング※2の少ない広帯域周波数の音波を発生できることが可能となり、数㎝以下の近距離のセンシングも可能です。この超音波特性と当社独自の信号処理と組合せることで高精度な位置検知、音波の混信回避、表面材の質感検知、測位対象の微小変位※3の検知などを実現します。
当社は本開発品をはじめとする高精度な測位機器により、高度な自律走行・遠隔操作、新たな非接触ユーザーインターフェースやバイタルサインの検知用途など、ニューノーマル社会の実現に向けた取り組みに貢献していきます。
※1 生物が自ら音波を発して、障害物などの反響から周囲の状況を認識すること
※2 急に振動が止まらず、音が尾を引く現象(例:寺社仏閣の鐘の振動など)
※3 1mm以下の微小な動きや変化
非振動型広帯域超音波発生デバイスの概要
サイズ: 縦5mm×横6mm×高さ1mm(開発中の試作製品)
主な測定対象: 壁や床、障害物など超音波が反射するものすべて
想定される用途: 周囲検知を必要とする自律走行ロボットやドローン、非接触ユーザーインターフェースやバイタルサインの検知用途など
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