世界初175℃の高温に対応した自動車向けチップフェライトビーズを商品化
株式会社村田製作所(以下、「当社」)は、自動車向けとして世界で初めて※1175°Cの高温環境下で使用可能なノイズ対策部品であるチップフェライトビーズ「BLM18KN_EHシリーズ」(以下、「本製品」)を商品化しました。2020年12月より量産を開始します。
※1 当社調べ、2020年12月1日時点。
近年、自動車の電装化が進み、特に高温となるエンジン周辺にもECU※2が配置されるようになりました。従来はエンジン周辺の高温に対応できるノイズ対策部品がないため、比較的温度が低い箇所に対策回路を設置していましたが、ノイズ源から離れた箇所に位置するため、効率の良いノイズ対策が困難でした。
本製品は、高温でも磁気特性を失わないフェライト材料や長期間の使用でも高温劣化を抑制する当社独自の電極構成部材の採用により、世界で初めて175°Cの高温環境で使用可能なチップフェライトビーズを実現しました。この特性により、エンジンECUやトランスミッション制御ユニット※3、ターボモーター※4などの電源ノイズ対策部品として、長期間にわたって使用可能です。
※2 Electronic Control Unit:自動車の電子制御装置。
※3 トランスミッション(変速機)の制御を行うコントロールユニット。
※4 排気の流れを利用してエンジンに空気を送り込む機構。
当社は、今後も市場ニーズに対応した製品の開発に取り組み、自動車の高性能化・高機能化に貢献していきます。
主な特長
- −55°C~+175°Cの使用温度範囲を実現
- 175°Cの高温対応によりミッションプロファイル※5に準じた部品単体でのテストが不要となり、設計工数の削減に貢献
- 150°Cで定格電流490~2600mAに対応し、電源ラインの設計自由度の向上に貢献
- 低直流抵抗※6により大電流通電時の電圧降下を低減し、回路の安定した動作を実現
※5 ミッションプロファイル:自動車の実使用を想定し、温度などの環境やその継続時間などの動作条件を完成車メーカーが規定したもの。
※6 低直流抵抗:直流抵抗(常に一定値の電流を流したときの電流の流れにくさ)が小さいこと。
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