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04
'21
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Michell Bearings
ミシェル・ベアリング社固有の技術力が原子力発電所ブラックアウト要求に応える
ミシェル・ベアリング社は、新設原子力発電所での原子炉冷却材ポンプに使用されるスラスト&ガイド軸 受に対して、発電所のブラックアウト(全電源損失)試験を実施し、成功裏に完了しました。
軸受の安全な減速に世界で初めて成功したものの一つであり、本試験を通じて当社軸受が外部電源による高 圧オイル供給システムを使用せずに発電所ブラックアウト状況を乗り切る能力を有している事が実証されま した。
外部電源を失う事による発電機の停止は、高圧オイル供給システムの駆動に使用する電力も失われるため、 最終的に発電所のブラックアウトを引き起こします。軸受として、本試験要件を満たす為には、最大荷重時 に於いて減速して停止した後、一切の介入なく再起動する必要があります。
6つのスラスト&ガイド軸受を供給する契約の一部として、ミシェル・ベアリング社では試験条件を満たす 為の特別なテストベンチを製作しました。当該テストベンチは、軸受の運用条件を実際と極めて近い形で再 現するように設計されています。例えば、発電所のブラックアウトを想定し、本状況にて軸受は原子炉冷却 材ポンプを駆動する電力を使用せず、安全に停止する必要があります。
ミシェル・ベアリング社の技術部門責任者のポール・ブルース氏は以下通り説明しています。「発電所のブ ラックアウトという難しい状況にも対応可能なソリューションを提供できたことを光栄に思います。当社軸 受の運用性能を実証すると共に、研究開発レベルの高さも証明するものです」。「ティルティング・スラス ト・パッドの滑り面が損傷することは許容されません。然しながら、ある程度継続してスラスト方向の最大 荷重と非常に低い回転速度が組み合わさると、油膜が極めて薄い状況で運用することになります。この様な 条件を克服するには、特別な設計上の工夫が要求されます」。
本軸受は、設計・製造から試験までを英国ニューキャッスルにあるミシェル・ベアリング社の工場で行いま した。今回の成功は、2018年に欧州を代表する原子炉冷却材ポンプメーカーと共に、スラスト・パッドを開 発して発電所のブラックアウトに対する試験を成功裏に終えたものに続く、大きな成果となりました。
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