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Leica Geosystems News

盛土の締固め品質と精度を大幅向上する新たな 転圧管理システムをライカジオシステムズと 竹中土木が共同開発

転圧施工直後に低コストで点群をリアルタイム生成.

盛土の締固め品質と精度を大幅向上する新たな 転圧管理システムをライカジオシステムズと 竹中土木が共同開発

ライカジオシステムズ 株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 日比孝典、以下ライカジオシステムズ)と株式会社 竹中土木 (本社:東京都江東区 取締役社長 竹中康一)は、土木工事における盛土の締固め品質と精度を大幅に向上する転圧管理システム『Dual Mast Roller(デュアルマストローラー)』を共同開発し、現場実証試験を実施し特許を申請しました。

従来の転圧管理システムでは機器の構成上、転圧ローラーの鉄輪中心位置情報を求めるために距離と比高差のオフセットをおこなう必要がありました(図1参照)。しかしながらGNSSアンテナと転圧ローラーの鉄輪が違う挙動をする為に、この方法では正確な位置情報が得られず、施工判定ミスが生じて未施工箇所が発生するリスクがありました(図2参照)。この度、新たに共同開発した『Dual Mast Roller』は、鉄輪の両端にGNSSアンテナ2基とGNSS受信機 Leica iCON gps 80 を取り付けて位置と方向角を測定し、鉄輪の傾きは傾斜計で取得し、鉄輪の正確な中心位置情報を取得するシステムです(図3参照)。転圧ローラーの車体旋回時においても、GNSSアンテナが有する水平方向(XとY方向)の誤差範囲は20mm以内、鉛直方向(Z方向)での誤差範囲は30mm以内で、高精度の走行軌跡管理が可能になりました(図4参照)。

さらに本システムでは鉄輪の方向角と傾斜角を算出し、走行した鉄輪幅に合わせてリアルタイムで3次元点群データの生成も可能になりました。計測機器が取得した位置と方向角と傾斜角の情報は転圧ローラーの操縦席に設置したPCに送信され、そのデータを基にPC上の『Dual Mast Roller』のプログラムが演算処理をおこない、任意で設定した密度で点群の自動生成を行います(図5参照)。

ライカジオシステムズのマシンコントロール アンド ポジショニング事業本部長の竹添は開発したシステムについて次のように述べています。「転圧ローラーで締固め直後に点群を作成してリアルタイムに施工状況を確認できるので、施工の欠落箇所を現場で確認してやり直しの必要性をその場で判断できます。3Dレーザースキャナーを使わずにローラーに搭載した最小限の計測機器だけを使って点群を自動生成する方法は、竹中土木様と当社が共同で開発した独自の画期的なシステムです。このシステムを使えば、土量算出などに3Dスキャナーやドローンによる計測は不要になり、施工履歴データで土量管理が簡単に行えます。また、この施工履歴データは出来形管理のデータとしても活用が期待されます。」

今後は、取得した点群データを基に転圧施工後の現況地形を3次元の面データ化し、現場状況に合わせて次層の撒き出し層厚のデータ作成が可能なシステムの開発を予定しています。具体的には、転圧完了後に点群で取得した現況地形のデータをクラウド上に転送し、転圧ローラーとブルドーザー間でデータを共有することで、次のブルドーザーによる敷均し工程で指定する層厚で撒き出し施工が可能になり、より高精度で効率的な盛土管理を実現できるようになります。また、取得した施工履歴データから適切な撒き出し作業が可能になるため、正確な層厚管理、出来形管理への適用も期待できます(図6参照)。

【Dual Mast Rollerの特徴】

  • 転圧ローラーに2基のGNSSアンテナとGNSS受信機と傾斜計を搭載するシステム
  • 高い精度で鉄輪の中心位置情報を取得可能
  • 鉄輪幅に合わせてリアルタイムでPC上のシステムから点群データの作成が可能

【今後開発予定の機能】

  • 点群データから次層の撒き出しデータを作成しクラウド上でブルドーザと連携する新たな施工管理手法を構築
  • 面的な層厚管理
  • 生成した点群データを活用したリアルタイムな土量管理、土量変化率の管理

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