www.engineering-japan.com
14
'21
Written on Modified on
Regloplas
プロセス温度制御のデジタル化に向けて
食品加工の温度管理におけるリモート・モニタリングや、デジタルなプロセス最適化をサポート
ロックダウンを始めとする新型コロナ流行の影響にともない従業員が出社できないことから、多くの食品メーカーが通常の生産能力を維持するのに困難を抱える状況となっています。機械や工場のオペレータに、ちょっと自宅で仕事してもらうというわけにはいきません。しかし、パスタやパン、お菓子、調味料など日常的な製品はもとより、植物由来の代替肉といった新しい種類の食品は、あらゆるものが止まったとしても、生産を続けなければなりません。
そのため、昨年、食品産業ではデジタル化が進展しました。こうした厳しい状況でなければ多年を要したかもしれないほどのデジタル化です。この展開により、温度制御にも大きな影響がありました。1日24時間稼働するシステムでは、食品衛生やトレーサビリティに関する規制に適合するよう、その全生産プロセスにわたって重要なパラメータを記録する必要があります。たとえば、チョコレートを作るための粉砕機の温度、パスタやケーキ生地の押出における容器やスクリューの温度、二重壁容器(撹拌機に多い)を温度調節する液体の温度、様々な中間製品や最終製品を搬送するパイプラインの温度、さらには製糖から食品用の天然香料の生産まで幅広く利用され、大型化の進む加工炉の温度などです。
基準温度からの乖離や温度のばらつき、アラームなどに応じて、たとえシステムの近くに誰もいない場合でも、即座に必要な是正措置が行えるようにしなければなりません。さらに、工場設備メーカーの技術サービス担当者によるリモートサポートも必要であり、絶えず生産工場全体を最適化していく必要があります。
こうした展開にあたり、お客様にもっと優れたサポートを提供できるようにRegloplas AGは、食品産業における温度制御のさらなるデジタル化を推進できる温度制御ユニットや冷却システムのソリューション(-20~350℃、3~80kWの加熱能力に対応)を広範にご用意しています。
たとえばRegloplas AGの新しい制御システムRT200は、OPC UAサーバーを内蔵し、生産プロセスのデジタル化に最大限の柔軟性を発揮します。デジタル化の中心となる考え方は、ネットワークを介してすべてのプロセスと機械のデータを交換するとともに、MESやERP、PPSなどの上位のITシステムに送ることです。
生産プロセスに関連するすべての周辺機器や機械、システムが互いに通信することで、生産性の向上やダウンタイムの抑制、機械の能力の最適化、生産品質の向上につながるプロセスのリアルタイムな最適化が可能になります(図1)。
Regloplas AGのモジュール式ツールボックスから温度制御ユニットを利用すると、さらに次のようなメリットもあります:
- 工場設備メーカー独自の(少量生産の)ソリューションに比べて低コスト
- システムを新設する場合やアップグレードする場合でも、障害なく継続して温度制御ユニットを利用できる
- 温度制御に特化したメーカーの温度制御ユニットを使用すれば、技術的な改善とともに信頼性が向上する
高性能で柔軟性の高い温度制御ソリューションにも関わらず低コストに統合できることは、工場設備メーカーや他のプロセス産業の事業にとっても魅力的です。そのためRegloplas AGは、そうしたお客様に向けても、継続的な製品の開発と技術力の向上に努めています。特に食品産業に対しては、経済的な配慮に加え、よりヘルシーで味にも優れた食品供給の持続可能性に貢献できるようにしたいというのが当社の願いです。
詳しい情報につきましては、当社までお問い合わせください。
また、LinkedInやYouTubeのフォローもお待ちしています。
図1:製造能力400㎏/hのフィーダ/ミキサー/混練/撹拌の複合機で最高90℃までの温度を制御