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村田製作所とCooler Master社が世界最薄の電子機器向け放熱部品「200μmベイパーチャンバー」を共同開発

村田製作所(本社:京都府長岡京市、代表取締役社長:中島 規巨)とCooler Master社(本社:台湾台北市、創業者:Roger Lin)は、世界最薄※の電子機器向け放熱部品「200μmベイパーチャンバー」(以下、「本製品」)を共同開発しました。

村田製作所とCooler Master社が世界最薄の電子機器向け放熱部品「200μmベイパーチャンバー」を共同開発

本件の共同開発は、小型電子部品の設計ノウハウを有する村田製作所と電子機器の放熱部品のリーディングカンパニーであるCooler Master社の協業による第一弾となる開発製品です。両社は今後も次世代デバイスの熱問題の解決に向けた製品作りのため、協業関係を強化していきます。

※当社・Cooler Master社調べ。2021年4月末時点。

電子機器の性能向上および高機能化に伴い、各デバイスから発生する熱量が増加しており、熱を効率的に分散・放熱し、冷却することが重要となっています。また、高密度な設計により筐体内部の実装空間が限られることから、グラファイトシートやヒートパイプなど従来用いられてきた熱対策部品では十分な放熱ができないため、省スペースで熱を広い面積に分散し、効果的に放熱することができるベイパーチャンバーのニーズが高まっています。特に5GスマートフォンやAR/VRデバイスなどの高機能モバイル製品では、高性能なICの採用や軽量化の追求などにより、放熱部品の実装空間が限られていることが課題となっています。

本製品は村田製作所が主に通信向け電子部品で培ってきた技術・ノウハウにより、厚さ200μmの世界最薄のベイパーチャンバーとして設計しました。わずかな内部空間にも設置可能なため、ICなどからの熱を効率的に拡散、放熱することができ、電子機器の動作の安定化に貢献します。本製品はさまざまな電子機器向けの放熱部品の生産ノウハウを有するCooler Master社の工場で生産され、同社ブランドの製品として広く販売されます。

ベイパーチャンバーの構造
薄い金属箔を重ね合わせた内部に冷却用の液体(作動液)を封入しています。熱源で生じた熱を受けて作動液が蒸発し、蒸気がベイパーチャンバー内部に拡散することで放熱を行います。放熱が行われると、蒸気は液体として再度凝縮し、微細な隙間を備えたウィックにより、再び熱源まで循環する構造となっています。


村田製作所とCooler Master社が世界最薄の電子機器向け放熱部品「200μmベイパーチャンバー」を共同開発

村田製作所とCooler Master社は本製品を皮切りに、電子機器向け放熱部品において両社の知見を活用し、新たな技術課題・多様な製品ニーズに対応するパートナーシップを構築していきます。Cooler Master社は製品開発における両社の連携体制を強化するため、2021年後半に竣工する本社ビルに村田製作所の試験レベルに合わせた開発・試験設備の導入を予定しています。これにより、新しい製品コンセプトやアイデアをより早く共有し、正確な性能評価を行える開発体制を実現します。

村田製作所 取締役 専務執行役員の岩坪 浩は、次のように述べています。
「放熱部品のプロフェッショナルであるCooler Master社の協力のもと、当社が通信向け電子部品で培った設計ノウハウが活かされた世界最薄のベイパーチャンバーを提供することができ、大変うれしく思います。電子機器の高機能化に伴い、各機器を仕様通り動作させるには筐体で発生する熱の処理技術がこれまで以上に重要となってきています。本製品を通じて放熱部品について深い知見を持つCooler Master社との連携を強化し、お客さまの課題解決につながる製品作りに貢献してまいります」

Cooler Master社 創業者のRoger Linは次のように述べています。
「ムラタと協力して、お客さまの熱問題を解決するソリューションの設計、生産、提供を行うことができ、大変うれしく思っています。我々が持つ世界最高レベルの冷却ソリューションに対し、ムラタは電子部品で培った設計ノウハウを提供してくれています。このパートナーシップを通じ、お客さまが各製品をより早く市場に投入できるように貢献していきます」

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