タイヤ内でも安定した通信が可能な高耐久RFIDモジュールをミシュランと共同開発~ミシュラン製品に内蔵開始、2024年より乗用車タイヤ向けにも採用~
株式会社村田製作所(本社:京都府長岡京市、代表取締役社長:中島 規巨、以下「村田製作所」)はヨーロッパ最大の自動車タイヤメーカーであるMichelin社(本社:フランス、クレルモン・フェラン、CEO:Florent Menegaux(フロラン・メネゴー)、以下「ミシュラン」)とタイヤ内蔵用RFIDモジュール(以下、「本製品」)を共同開発しました。
本製品は東京ビッグサイトで開催される第14回[国際]カーエレクトロニクス技術展(会期:2022年1月19日~21日)の村田製作所ブース(CAR1-0473)に出展します。
近年、拡大するタイヤ市場において、タイヤの安全性の保証、製造時の物流効率化、個々のタイヤのライフサイクルを管理することなどが課題となっており、RFIDタグの導入検討が進められてきました。独自でタイヤ内蔵型のRFIDタグを開発していたミシュランは、これらの製品管理を幅広い市場向けに展開していくため、従来のRFIDタグと比較してさらなる低コスト化や通信の信頼性向上を目指していました。
村田製作所は通信市場で培った高周波技術や小型化技術、自動車市場における技術的知見などを活用し、タイヤ内蔵時でも安定した通信性能を発揮し、タイヤのライフサイクルに匹敵する耐久性を低コストで実現した本製品をミシュランと共同開発しました。タイヤメーカーの工場・倉庫内だけでなく、物流・アフターマーケットでのメンテナンスや品質トレーサビリティでの活用が期待されます。
ミシュランでは、まず商用車タイヤ向けに本製品の内蔵を進めており、2024年頃を目途に乗用車向けへ拡大する予定です。また、本製品を活用したRFIDシステムを業界標準とするためのプロモーション活動にも取り組んでいます。
村田製作所は本製品の提供だけでなく、自社のソリューション「id-Bridge™(RFIDミドルウェア)」においてもISO※で規定されるタイヤ内蔵用RFIDタグへのデータ書き込みや読取試験にも対応、業界のタイヤ管理効率化に貢献していきます。
※ スイスのジュネーヴに本部を置く国際標準機構が定める国際規格のこと。タイヤ内蔵RFIDタグに関連するものとしてタグのデータ書き込み方式を規定するISO20910や読取評価の方法を規定するISO20912などがある。
Michelin社RFID program leader Jerôme Barrand(ジェローム・バランド)氏は次のように述べています。
RFIDはタイヤ管理の効率化と業務の最適化達成に重要なだけではなく、各タイヤから得られる関連データにより顧客体験の向上にもつながります。タイヤ内蔵型RFIDタグは個々のタイヤが生産してから廃棄されるまでを管理できる唯一の手段です。村田製作所との共同開発により、性能やコスト面が改善されたことで、さらに大きな市場に向けて展開することができるようになりました。すでに400万個以上ものミシュラン製タイヤに内蔵されている本製品は、今後他のタイヤメーカーでも利用できるようになるため、市場全体での採用がさらに加速するでしょう。
村田製作所 RFID事業推進部 部長 安藤正道は次のように述べています。
サプライチェーン管理が困難なものでも、RFIDソリューションを活用することでより効率的に行えるようになります。村田製作所は今後も革新的なソリューションの実現に向けた継続的な技術開発を行い、ミシュランとともにライフサイクルを通したタイヤ管理の実現、顧客体験の向上に向けて貢献していきます。
当社のRFIDモジュールがタイヤに内蔵されるまで
主な特長
- 小型サイズ
タイヤ内蔵時に省スペースで埋め込みが出来る小型サイズのモジュール(1 × 1 × 6 mm)
- 堅牢性
走行時の衝撃や埋め込み時の負荷にも耐えられる堅牢性
- 良好な通信性能
独自のアンテナ設計技術によるタイヤ内蔵時の良好な通信性能
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