電源製品: 超薄型 µPOL DC-DCコンバータの開発、量産
TDK株式会社(社長:石黒 成直)は、FS1412 microPOL (μPOL)パワーモジュールを開発し、昨年12月から量産を開始したことを発表します。FS1412は、µPOL DC-DCコンバータシリーズの1つで、外形寸法は5.8 ㎜ x 4.9 ㎜ x 1.6 ㎜です。
- 高性能で省エネを実現する超薄型パッケージと3D実装技術
- 配線リソースに制約があり、高電流密度を必要とするアプリケーションに最適
- マルチタイムプログラマブルメモリの拡張性によりデジタル通信(I2CおよびPMBUS)を使用して幅広い柔軟性を提供
高性能かつ小型サイズであり、その使いやすさからビッグデータや機械学習、人工知能(AI)、5G端末、IoTデバイス、通信、エンタープライズコンピューティングなどの用途に適しています。μPOL™ 技術では、ASICやFPGAなどの複雑なチップセットの近傍にDC-DCコンバータを配置することができます。コンバータとチップセットの距離を最小限に抑え、抵抗および配線インダクタンスを最小化することで、ダイナミック負荷電流での変動に対して迅速な応答が可能になります。
当社は、本技術を数年にわたって開発し、電流および熱性能を向上させるシステムレベルのソリューションを実現してきました。特に、薄型電源を必要とし、基板スペースに制約のあるアプリケーション向けに高密度でコスト効率の高いソリューションの実現に焦点を当てています。これらの新しいソリューションにより、高性能なパワー半導体をTDKパッケージ技術SESUBに内蔵し、3D Point of Loadを実現しています。この画期的なインテグレーションにより、TDKは既存品と比べて、トータルシステムコストの最適化、かつ高効率と使いやすさを実現できます。
FS1412は、-40 ℃~125 ℃という幅広いジャンクション温度で動作し、1立方インチあたり1000 Aを超える高い電力密度を備えています。 このシリーズは、既存の12A製品と比較して最も低背で、周辺回路を含め、半分のエリアにて実現可能です。その結果、部品およびプリント基板コストだけでなく、組み立てコストも減らすことで、システムコストが最小に抑えられます。
なお、当社は、米国のテキサス州ヒューストンのジョージ R.ブラウン・コンベンションセンターで3月20日~24日にかけて開かれる電源展「APEC 2022」において、µPOLの技術および小型電源ソリューションのフルラインアップをご紹介する予定です。(ブース番号:814)。
用語集
- μPOLおよびnPOLは、ASICやFPGAなどの複雑なチップセットの近傍に配置されるDC-DCコンバータ
主な用途
- ネットワークストレージ:エンタープライズSSD/ストレージエリアネットワーク
- サーバー:メインストリームサーバー、ラックおよびブレードサーバー、マイクロサーバー
- 各種通信:イーサネットスイッチ、ルーター、5G小型端末および基地局
主な特徴と利点
- 外形寸法:5.8 x 4.9 x 1.6 ㎜
- 定格出力電流12 A(既存の製品と比較して半分の出力コンデンサで動作可能)
- -40℃~125℃のジャンクション温度に適合
- 鉛フリーおよびRoHS/WEEE適合
主な特性
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