OpreX Field Instruments のラインアップ「電磁流量計 CA シリーズ」を開発 発売
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良寿)は、ADMAGCA シリーズの後継機種として電磁流量計の新製品「電磁流量計 CA シリーズ」を開発し、 OpreXTM Field Instruments のラインアップとして本日発売しますのでお知らせします。電 磁流量計 CA シリーズは、測定管内を流れる液体が電極に接触することなく測定できる容量 式電磁流量計です。
電磁流量計 CA シリーズ
従来の電磁流量計「ADMAG CA シリーズ」の非接液式容量電極構造に、 優れた操作性とメンテナンス性を加えました。本日から、日本、東南アジア、北南米、オセアニア、中東、アフリカなどで販売を開始し、 今後、CE マーキングと各種防爆規格を取得し、欧州を中心とする CE マーキング対象国、 中国でも販売していく予定です。
開発の背景
プラントでは、安定的な稼働により製品品質を維持するために各計器の点検が必要となり、点検作業の効率化は生産現場の課題となっています。電磁流量計は、流路に流れの障害とな る構造物がないことから、液体を流す圧力の損失がほとんどなく、導電性のある液体の測定 に広く使用されています。大規模化学プラントなどにおいては多いところでは数百台設置さ れており、一台あたりにかかる点検、交換、データ収集などの作業の効率化が求められてい ます。
このようなニーズを踏まえ、当社は 1995 年の発売以来、国内を中心に多くの納入実績を もつ ADMAG CA を刷新し、操作性とメンテンナンス性を高める機能を搭載した電磁流量 計 CA シリーズを開発、海外を含む広い地域で発売します。これによりお客様の計器の点検 工数を削減し、プラントの操業効率向上に貢献していきます。
電磁流量計 CA シリーズの特長
容量式電磁流量計の特長は、測定対象の液体に電極が直接触れることなく、セラミックス 測定管を介して流体が流れた時に発生する起電力を静電容量で検出できる構造にあります。 これにより接液式電極の構造では難しかった、電極に衝突すると電気的ノイズが発生してし まう鉱物を含んだ流体、絶縁物が管内に付着するおそれのあるラテックスと呼ばれるゴムの 木の樹液のような流体、純水や水あめなどの導電率が低い流体についても安定した流量測定 を実現します。
今回発売した電磁流量計 CA シリーズは、これらを実現する非接液式容量電極構造に加 え、次の 3 つの特長を有しています。
1.作業の効率化に寄与する便利な機能を多数搭載
世界的に多くのプラントで使われている HART 通信にも対応、言語は 9 ヶ国語から選択でき、最適な言語を選択することで、ストレスなく短時間で表示される情報を確認すること が可能です。測定データはオプションで microSD に保存でき、取り出して PC 上でデータ を確認したり、microSD に保存された機器設定データを別の機器にコピーして設定したり することが可能です。表示器にはバックライト機能が搭載され、夜間や周囲が暗い場所での 表示器の視認性が格段に向上しました。
2.機器の健全性診断機能でメンテナンス性を向上
配管に取り付けたまま機器の健全性を診断するベリフィケーション機能を搭載しています。最短 6 分で、磁気回路、励磁回路、演算回路の検査と機器ステータスのアラームや健全 性の確認が行えます。当社の健全性診断ツールである専用ソフトウエア FSA130(別売り) やその他メンテナンスツールと組み合わせれば、配管に取り付けたままで、より多くの項目 の検査をすることができ、レポート作成まで簡単に行えます。
3.多様な用途に使え、簡単な置換えが可能な測定管
さまざまな用途でお使いいただけるよう、測定管のサイズは 15~200mm の範囲で 8 種類用意しています。設計は従来製品 ADMAG CA の口径、面間寸法※に合わせており、 ADMAG CA から電磁流量計 CA シリーズへの置き換えには配管への追加工事が不要です。電磁流量計を配管に取り付けるために必要な端面から端面までの長さ
主な市場
化学、紙・パルプ、鉱業、食品・飲料、上下水道
主な用途
以下の性質をもつ流体の流量測定
- 絶縁物が測定管に付着しやすい流体
- 高濃度のスラリー(固形物)を含む流体
- 低導電率流体
