Toshiba: 高放熱の新パッケージ採用により機器の大電流化に対応した車載用40V耐圧NチャネルパワーMOSFETの発売について
当社は、高放熱の新パッケージL-TOGL(Large Transistor Outline Gull-wing Leads)を採用し、高ドレイン電流定格を実現した車載用40V耐圧NチャネルパワーMOSFET「XPQR3004PB」、「XPQ1R004PB」の2製品を製品化し、本日より量産出荷を開始しました。
近年、車載機器はEV化が進み、機器の消費電力が増大しています。車載機器に使用される部品は、これに対応するために低損失・高放熱といった製品特性が求められています。
新製品は、大電流化・低抵抗・高放熱に適した新パッケージL-TOGL™を採用しました。Cuクリップを用いてチップからアウターリードまでを一体化し、製品内部のポスト[注1]をなくしたポストレス構造のパッケージとなっています。さらに、多ピン構造のソースリードを採用し、パッケージ抵抗を既存パッケージTO-220SM(W)と比べて約70%低減しました。
XPQR3004PBの場合は、ドレイン電流(DC)定格を既存製品[注2]と比べて1.6倍の400Aに拡張しました。また、厚みのあるCuフレームを採用することで、同XPQR3004PBは既存製品[注2]と比べてチャネル・ケース間過渡熱インピーダンスを50%低減し、機器の大電流化や低損失化に貢献します。
新製品は新規パッケージ技術により、大電流動作が求められるISG[注3]などのインバーターや半導体リレーの用途で、放熱設計の簡易化とMOSFETの員数削減による機器の小型化に貢献します。
また、更なる大電流動作を必要とする用途では、MOSFETの並列接続使用が想定されます。新製品はゲートしきい値電圧のグルーピング納品[注4]に対応しているため、特性差の少ない製品グループで設計が可能です。
車載機器は、さまざまな温度環境で使用されるため、基板実装はんだの接合信頼性が重要視されます。新製品は、実装応力を緩和するガルウィングタイプのリードを採用し、基板実装はんだの接合信頼性向上に貢献します。
新製品の主な特長
- 新パッケージL-TOGL™を採用
- 高ドレイン電流(DC)定格:
- XPQR3004PB : ID=400A
- XPQ1R004PB : ID=200A
- AEC-Q101適合
- 低オン抵抗:
- XPQR3004PB : RDS(ON)=0.23mΩ (typ.) (VGS=10V)
- XPQ1R004PB : RDS(ON)=0.8mΩ (typ.) (VGS=10V)
新製品の主な仕様
www.toshiba.com