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MURATA News

世界初、Wi-Fi 6E/7向け無給電素子結合デバイスを商品化―アンテナの高効率化と小型化に貢献

株式会社村田製作所(以下、「当社」)は、Wi-Fi 6E*1や次世代無線LAN規格であるWi-Fi 7*2に対応するアンテナの高効率化と小型化を両立させる無給電素子結合デバイス(以下、「当製品」)を世界で初めて*3開発しました。

世界初、Wi-Fi 6E/7向け無給電素子結合デバイスを商品化―アンテナの高効率化と小型化に貢献

ノートパソコンなどの電子機器に搭載されるアンテナに当製品を付加することで、Wi-Fi 6E/7の規格に準拠した良好な無線通信を実現できます。すでに量産を開始しており、当製品を搭載した機器の市場投入は2023年末を予定しています。

*1 Wi-Fi 6E:最新の無線LAN規格であるWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)で利用可能なチャネルを拡大した規格。従来から利用可能だった2.4GHz帯と5GHz帯に加え、6GHz帯にまで拡大。より多くの接続を可能にして、干渉の少ない快適なWi-Fi環境を実現する。
*2 Wi-Fi 7(IEEE 802.11be):2024年後半での実用化が予定されている次世代の無線LAN規格。
*3 当社調べ。2023年12月6日時点。

Wi-FiTM通信の高速化を実現するWi-Fi 6EやWi-Fi 7規格の適用にあたっては、通信速度や品質を向上させるために、複数個のアンテナを電子機器に搭載する必要があります。一方、プロセッサの高機能化に伴い放熱装置やバッテリの大型化が進んでおり、アンテナの搭載スペースは縮小傾向にあるため、アンテナの小型化が求められています。こうしたなか、一般的にはアンテナを小型化すると広帯域での効率が落ちるという技術的な課題があり、小型化と性能を両立する技術が求められていました。

そこで当社は、独自に培ったセラミック多層技術を活用することで、アンテナの小型化と広帯域での高効率化の両立を可能にする当製品を開発しました。当製品は、2つのコイルを近接配置した小型(1.0×0.5×0.35mm)のトランス状の構造をとるデバイスです。コイル間の強い結合が給電アンテナと無給電素子の結合を強化することで、広帯域にわたって高効率な小型アンテナを実現できます。

当社は今後も、無線LANの広帯域化などの市場ニーズに対応した製品開発に取り組み、無線機器の価値向上に貢献していきます。

主な特長
広帯域化したアンテナの効率を向上
無給電素子を給電アンテナに強く電磁界結合することによって、無給電素子が持つアンテナ共振を追加することができ、アンテナの高効率化を実現します。

アンテナの小型化が可能
アンテナを単純に小型化すると、無給電素子とグランドの間で電磁界結合が強くなるため、相対的に給電アンテナとの結合が弱くなります。当製品を活用することで、給電アンテナと無給電素子の結合を強化し、小型のアンテナでも良好な特性が得られます。

長いアンテナケーブルでの性能低下を抑制
アンテナは、広帯域で用いる際、インピーダンス不整合を起こして無線通信の性能低下を招きます。 さらに、インピーダンス不整合のアンテナを長いケーブルを用いて通信回路と接続する場合は、長いケーブルがインピーダンス不整合を助長することで想定以上の大きな挿入損失を発生させ、無線通信の性能が著しく低下します。当製品を活用することで、アンテナのマッチングを改善し、長いケーブルを用いた場合でも無線通信の性能低下を抑制することができます。
主な仕様

主な仕様


主な応用
PC、タブレット端末、スマートフォン、仮想現実(VR)/拡張現実(AR)関連機器、ゲーム機、Wi-Fiルータなど、Wi-Fi 6E/7規格のWi-Fi通信およびセルラー通信を利用する民生機器

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