シュナイダーエレクトリック、モーター制御製品のソフトスターター「AltivarTMSoft Starter」を日本市場向けに発売
従来速度制御不要の場合でもインバーターが用いられてきたモーター制御に新たな選択肢を提供。
エネルギーマネジメントおよびオートメーションにおけるデジタルトランスフォーメーションのリーダーであるシュナイダーエレクトリックは、日本市場における同社のモーションコントロール製品のポートフォリオを拡大し、新たにソフトスターター製品「AltivarTMSoft Starter」(アルティバ ソフトスターター)を発売することを発表します。3月25日より製品の提供を開始します。
ソフトスターターは、モーターのショックレスな始動・停止をサポートするためのデバイスです。コンベアーやポンプ、ファンなどに代表されるモーター制御における始動・停止時の負荷低減に対して、日本市場では速度制御が不要な場合でもインバーターが用いられている場合が多く、ソフトスターターという機器そのものがあまり使われてこなかった歴史がありました。今回同社が発売するソフトスターター製品は、速度制御機能を排除しシンプルな機能のみに特化することで本体サイズや価格を押さえた製品で、モーター制御が必要な装置に新たな選択肢を提供します。
「AltivarTMSoft Starter」として、日本市場向けにはシンプルマシン向けのATS01シリーズ、プロセス制御やインフラ設備でのシビアなアプリケーションに対応するATS480シリーズ、2つのシリーズを発売開始します。
ATS01シリーズは、シンプルな機能に特化しており、並列取り付けも可能なコンパクト設計、ソフトウェア不要でポテンションメーターで行える簡単設定が特長です。インバーターで必要だった高調波対策やラジオノイズ対策も不要となるため、コスト削減にも貢献します。
ATS480シリーズは、よりシビアな制御を必要とする装置を想定して発売するもので、二重定格(ND/HD)と独自トルク制御に対応し、スムーズな加減速を実現します。豊富な通信規格をサポートしており、サイバーセキュリティーの観点ではユーザーアカウント管理やファームウェアアップグレードなどといった対策の基盤を提供します。
なお、「AltivarTMSoft Starter」は、シュナイダーエレクトリックが一定基準の環境性能・透明性を満たした自社製品に対して認定を行う「Green Premium(グリーンプレミアム)」の認定プロダクトです。最新の業界規制に準拠していることはもちろん、本製品の生産から使用、廃棄に至るまで全てのライフサイクルにおける環境負荷についての情報を全てオンラインで開示し、循環型で低炭素な製品であることを証明しています。
Altivar Soft Starterの主な特長
シンプルマシン向け ATS01シリーズ(シンプルなコンベアー、ポンプ、コンプレッサー、ファンなど)
- 定格電圧110-480V、 定格電流3-32A、モーター容量 0.37-15kw
- 並列取り付け可能なコンパクト設計(最小モデルはW22.5 mmx D100.4mm x H100mm)
- バイパスリレー内蔵*による長寿命化 *最小容量 ATS01N103FTを除く
- 高調波対策やノイズ対策不要
- ボリューム&LEDランプによる簡単設定が可能(ソフトウェア不要)
プロセス&インフラ向け ATS480シリーズ(水処理、鉄鋼関連、一般消費財製造、石油ガスプラントなど)
- 定格電圧208-690V、 定格電流17-1200A、モーター容量 4-900kw
- 二重定格(ND/HD)、独自トルク制御(TCS)でシビアな制御にも対応
- 豊富な通信機能:標準搭載のModbusに加え、オプションでModbus TCP&Ethernet/IP, PROFINET, PROFIBUS DP, CAN Openに対応可能
- サイバーセキュリティー対策:ユーザーアカウント管理、脅威インテリジェンス、安全なファームウェアアップデート、セキュリティー硬化などに対応