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ODVA

クリティカル・アプリケーションでのEtherNet/IP同時接続をCIP Safetyで利用可能に

 ODVAから、EtherNet/IPTM上のCIP SafetyTM技術を強化して、高い可用性と機能安全の両方を必要とするアプリケーションでConcurrent Connections(同時接続)を利用できるようになったことをご報告します。Concurrent Connectionsを活用すれば、最もクリティカルなオートメーションプロセスにおいて、複数のプロデューサ/コンシューマ機器の間の通信を冗長化できます。一方、CIP Safetyは、IEC 61508規格の安全度レベル(SIL)3までに対応した機械およびプロセスオートメーションの機能安全アプリケーションにおいて、安全I/Oモジュールや安全インターロックスイッチ、セーフティ・ライトカーテン、安全制御装置などのノード間にフェールセーフな通信を提供してきました。このCIP SafetyとConcurrent ConnectionsをEtherNet/IPで使用すれば、冗長化と機能安全を統合でき、最大限の稼働率と作業者の安全を保証できます。

Concurrent Connectionsは冗長デバイスによるフォールト・トレランスをサポートしたCIP接続です。このConcurrent Connectionsによって多数のCIP接続パスを実現可能になるため、デバイスが物理的にどのように相互接続されているかに関わらず、プロデューサ側とコンシューマ側のデバイス間でいくつかのパスを経由してデータを複数回送信することができます。オリジネータやルータ、ターゲットのどれにも複数のデバイスを参加させることができ、Concurrent Connectionといずれかの複製デバイスのペアで接続してぞれぞれの役割を果たすことができます。したがって、不具合の検出に必要とされていた時間が短縮され、ペアとなる機器間の切り替えにかかっていた時間も発生しなくなります。冗長なペアで継続的にデータを送受信するため、片方の機器で故障が検出されたとしても中断することなく制御プロセスを続行できます。

CIP Safetyは、IEC 61784-3-2に記載のようなさまざまな手法によって、危険な状況を引き起こしかねない一般的なエラーの発生を軽減します。たとえばタイムスタンプを経過時間の期待値とともに使用して、パケットの損失や遅延、多重送信、さらには誤った順序での送信といったケースを検出します。また、固有のデバイスIDを用いて、2つの安全デバイス間の通信を認証します。送信中にメッセージが破損していないことを確認する特別な診断チェック機能も含まれており、これらの機能はすべて標準の通信方法とは分離されています。こうしたエラー軽減策をCIP Safetyとしてまとめれば、2つのデバイス間の単一の接続(有線でも、無線でも)を使って、IEC 61508のSIL 3まで、ISO 13849-1のカテゴリ4/PLeまでに準拠の通信に対応可能です。

ODVAの会長兼業務執行取締役Al Beydoun博士は次のように説明しています。「EtherNet/IPのCIP SafetyでConcurrent Connectionsが利用可能になったことで、デバイスの不具合や通信エラーに直面しても回復力と安全性の両方が保証されるという、まったく新たな水準の産業用ネットワークを構築できるようになりました。CIP SafetyのConcurrent Connectionsは最高の可用性と機能安全を合わせて提供し、傷害の発生リスクを抑制するとともに生産性を高めながら、最も困難なアプリケーションを管理可能にします」。

CIP SafetyとConcurrent Connectionsは、産業用ネットワークの機能安全と機器のエラーや故障に対する冗長性を実現するため個別に提供されてきました。今回のCIP SafetyのConcurrent Connectionsが目的とするのは、CIP Safety接続による安全性を維持したまま、標準のConcurrent Connectionsがもたらす高いシステム可用性のメリットをもオートメーションネットワークの設計者に合わせて活用いただけるようにすることです。EtherNet/IP上でのCIP Safetyに対応のConcurrent Connectionsについて、その詳細はodva.orgから最新版のEtherNet/IP仕様書およびCIP Safety仕様書を入手ください。

ODVAについて
ODVAは、世界をリードするオートメーション関連サプライヤを会員企業として国際的な規格策定や取引を推進しています。そのODVAの使命は、産業オートメーション分野に向けたオープンで相互運用可能な情報通信技術の発展を図ることです。ODVAによる規格には、メディアに依存しないネットワークプロトコルのCommon Industrial Protocol(CIP™)に加え、EtherNet/IPやDeviceNet®などの産業通信技術があります。生産システムの相互運用性と他のシステムとの統合を実現するためには、商用オフザシェルフ(commercial-off-the-shelf)の標準的なInternetおよびEthernet技術を採用することが有効であるとODVAは考え、これを一つの指針としています。この指針を具体化したものがEtherNet/IPであり、現在、産業用Ethernetネットワークをリードする存在となっています。ぜひ、ODVAのwww.odva.orgをご覧ください。

詳しくは下記へお問い合わせください:

Steven Fales
ODVA
4220 Varsity Drive, Suite A, Ann Arbor, MI 48108-5006 USA
電話 +1 734 975 8840
ファックス +1 734 922 0027
Eメール This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.

DeviceNetはODVA, Inc.の登録商標です。またCIP・CIP Security・EtherNet/IP・ODVA CONFORMANTもODVA, Inc.の商標となっています。その他の商標についてはそれぞれの所有者に帰属します。

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