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車載用R-Car SoCを拡充し、エントリレベルのADAS向けにR-Car V4Mシリーズを提供開始

ルネサス エレクトロニクス株式会社は、エントリーレベルの先進運転支援システム (ADAS) 向け R-Car V4M シリーズを導入し、車載用システムオンチップ (SoC) チップの R-Car ファミリーを拡張したことを発表しました。

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車載用R-Car SoCを拡充し、エントリレベルのADAS向けにR-Car V4Mシリーズを提供開始

さらに既発売の上位モデルR-Car V4Hシリーズもラインアップを拡充し、R-Car V4MとR-Car V4H合わせてラインアップは7製品になりました。第4世代のADAS用R-Carは、ADAS機能に必要なAI処理性能と高いCPU性能を備えながら、優れたTOPS/Wの電力効率により、性能と消費電力のバランスを最適化しています。これにより、フロントカメラシステム、サラウンドビューシステム、自動駐車システム、ドライバモニタリングシステムなど、ADAS機能に合わせて最適な製品をコスト効率よく選択可能です。新製品は、現在サンプル出荷を開始しており、量産は2026年以降を予定しています。

新しいR-Car V4Mシリーズは、最大17 TOPSのディープラーニング性能を実現し、車載カメラ、レーダ、LiDARを使用した高速画像処理と正確な物体認識が可能です。R-Car V4Hシリーズと同様、7nmプロセスを採用しました。第3世代までの既存のR-Car製品とのスケーラビリティに優れており、R-Car ユーザは既存のソフトウェアを再利用して、開発費を低減することができます。また、新製品の同じシリーズ内ではピンの互換性があるため、基板の流用も可能です。

ルネサスのハイパフォーマンスコンピューティングSoC事業部、ヴァイスプレジデント兼ジェネラルマネージャであるAish Dubeyは、次のように述べています。「ルネサスは、ボリュームゾーンの車両に搭載するために高い需要があるレベル1からレベル2のADASソリューション向けに製品を拡充しています。並行して、ADAS、コクピット、ゲートウェイ、インフォテインメント向けの製品をさらに強化するために、新しい第5世代のR-Carも開発しています。ルネサスは、これら全製品に使用できる単一の開発プラットフォームとしてR-Car Open Access (RoX) Platformを提供することで、エントリクラスからラグジュアリクラスまで、あらゆる車両に向けた幅広い車載組み込みソリューションを提供してまいります。」

R-Car V4MおよびR-Car V4Hシリーズ全体では、アプリケーション処理用に最大4個のArm® Cortex®-A76コアを搭載し、最大81k DMIPSの性能を発揮します。また、リアルタイム処理用に最大3個のCortex-R52コア(ロックステップ)を搭載し、性能は最大25k DMIPSです。既発売のR-Car V4Hと同様、設計力と最先端の製造プロセス技術により、演算処理の電力効率は9 TOPS/Wを実現しています。例えば8メガピクセルのカメラセンサを搭載した一般的なスマートカメラに使用した場合、R-Car V4Mの消費電力は約5W(ワット)と極めて少なく、熱対策も容易になります。ルネサスは現在までに4億個以上の車載用R-Car SoCを出荷してきました。機能安全に対する技術と知見も蓄積しており、新製品を使用して最高レベルとなるASIL Dの安全要件にも対応可能です。


車載用R-Car SoCを拡充し、エントリレベルのADAS向けにR-Car V4Mシリーズを提供開始

SDV開発にR-Carオープンアクセス(RoX)プラットフォームを提供
SDV(ソフトウェア定義車両)開発環境であるR-Car Open Access(RoX)プラットフォームは、ハードウェア、オペレーティングシステム(OS)、ソフトウェアライブラリ、開発ツールなど、SDV開発にとって必要なほとんどの基本レイヤを統合しています。これにより、安全かつ継続的なソフトウェアアップデートを行うことができるSDVを効率的に開発することができます。

RoXにより、OEMやTier 1サプライヤは、ADAS、IVI (車載インフォテインメント)、ゲートウェイ、クロスドメインフュージョン、ボディコントロール、ドメイン/ゾーンコントロールなど多様なシステムを、仮想環境上で柔軟に設計することができます。また、AI Workbenchも含まれており、開発者はAIモデルの検証と最適化、アプリケーションのテストをすべてクラウド上で行うことができます。

R-Car V4MおよびR-Car V4Hシリーズの主な特長

  • アプリケーション処理用に最大4個のArm® Cortex®-A76コア
  • 最大3個のArm Cortex-R52コア(ロックステップ)により、外部マイコン無しでASIL Dをサポート可能
  • 専用のディープラーニングおよびコンピュータビジョンIPを搭載
  • 3Dグラフィックプロセッサユニット(GPU)を搭載
  • マシンビジョンとヒューマンビジョンを並列で処理可能なイメージシグナルプロセッサ(ISP)を搭載
  • ひずみ補正エンジンIMR(Image Renderer)を搭載
  • 低消費電力
  • 車載カメラ用の高速ブート(1秒未満)
  • AUTOSARソフトウェアパーティションのメモリサイズを拡張可能
  • CAN、Ethernet AVB、TSN、FlexRayなどのインタフェースを搭載
  • NCAP(New Car Assessment Program)、GSR2(General Safety Regulation 2)、自動運転レベル1~2+の要件に最適なBOM構成が可能
  • R-Car V4MとR-Car V4H用のパワーマネジメントIC(PMIC)提供により開発負荷を低減

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