インフィニオンは、環境に優しい決済カード技術の先駆者である SECORA Pay Green を発売
SECORA™ Pay Green は、CO2 排出量を削減し、リサイクルを容易にし、決済業界の持続可能性を推進する、完全にリサイクル可能な非接触型決済カードを提供します。
www.infineon.com
インフィニオン テクノロジーズ は、決済カード業界におけるプラスチック廃棄物とCO 2排出量の大幅な削減への道を切り開いています。インフィニオンは本日、環境に優しい現地調達の材料をベースにした、世界初の完全リサイクル可能な非接触型 (デュアル インターフェース) 決済カード本体の製造設計を実現する、SECORA™ Pay Greenを発表しました。
SECORA™ Pay Green関連の活動は、カード発行銀行に既存とは異なる構造を持ったカードの初期試作品投入のきっかけを提供します。さらに、インフィニオンは大手決済カード メーカーや決済サービス事業者と提携し、量産準備を進めています。業界が前進するにつれ、最初の試作品の成功が環境に優しい決済カードの採用を促進するのに役立ちます。
インフィニオンのSECORA™ Pay Greenは、新世代の決済カード テクノロジーのパイオニアです。従来の決済カードでは、インレイ箔などのさまざまな材料層を使用して、独立した銅線アンテナをカード内に埋め込む必要があります。これらの層と、カード全体に広がる銅線アンテナがあるため、従来の非接触型決済カードを容易にリサイクルすることはほぼ不可能になります。一方、インフィニオンの新しいSECORA™ Pay Greenソリューションは、セキュリティ コントローラーとすべてのソフトウェア コンポーネントを内蔵し、非接触アンテナを統合した環境に優しい新型コイルオンモジュール (eCoM) パッケージを組み合わせることによって、デュアル インターフェース決済カードの新しいリサイクル基準を設定します。
カードの耐用年数が終了した後、eCoMパッケージ全体をカードから取り外して電子廃棄物として処分することができます。その後、均質なカード本体は材質に応じてプラスチック、木材、紙としてリサイクルすることができます。アンテナを統合したことにより、従来の決済カードに使用していた銅線の輸送と調達に関連するコストと排出量も削減されます。この新しいモジュール設計により、原材料の調達と物流につながるCO 2排出量が60%超削減されます。SECORA™ Pay Greenは、環境に優しい革新的なeCoMを使用することによって、製造されたカード1,000枚あたりの排出量を、標準カード システム の90.08 kg CO 2eと比較して27.10 kg CO 2 に削減します。
インフィニオンのコネクテッド セキュア システムズ事業本部プレジデントのトーマス ロステック (Thomas Rosteck) は「インフィニオンは、パワーシステムとIoTのリーディングカンパニーとして脱炭素化とデジタル化の推進に取り組んでいます。インフィニオンがローンチするSECORA™ Pay Greenは、持続可能な決済カードの新たな基準を確立するだけでなく、決済業界においてより環境に責任を負う未来への道を切り開くものでもあります。CO 2排出量を削減し、リサイクルを容易にすることによって、金融機関やカード発行会社が環境によい影響を与えることができるようにしつつ、環境に優しいソリューションを求める顧客のますます増える要望に応えます」と述べています。
マスターカード サステナブル カード プログラムのバイス プレジデントであるジョー ピッチャー (Joe Pitcher) 氏は「マスターカードは、2018年以来、業界パートナーと協力して、より優れた、より持続可能なカードの選択肢の開発に取り組んでいます。現在提供している製品は、再生可能な原料からリサイクル性を向上させた決済カードを製造できることを証明しました。革新的な思考と、製品を再設計してさらに持続可能にするという意欲が表れた、インフィニオンのSECORA™ Pay Greenのようなイノベーションを当社は支援します。マスターカードは、より野心的な排出削減目標を追求し、インフィニオンのように製品ポートフォリオを革新することをベンダーに奨励しています」と述べています。
CPIのクレジット アンド デビット ソリューション部門のEVPであるトニ トンプソン (Toni Thompson) 氏は「インフィニオンのこの新しいチップは、カード業界に大変革をもたらすでしょう。CPIは、大手カード製造業者としてインフィニオンと長期にわたる戦略的関係を築いています。当社は、お客様の口座保有者が最もよく利用するカードになるよう設計された幅広いカード素材に、この新しいチップをすでに組み込み始めています。SECORA™ Pay Greenチップは、引き続き当社のお客様に利便性と革新性を提供しながら、当社がさらに環境に配慮したオプションに向かって移行できるようにします」と述べています。
パーフェクト プラスチック プリンティングの製造担当シニア バイス プレジデントであるマイク サバティーニ (Mike Sabatini) 氏は「私たちのミッションの1つは、再生とリサイクルが可能なカード製造用製品を見つけることです。インフィニオンとの継続的なパートナーシップによって、環境への影響を最小限に抑え、カーボン フットプリントを削減したカード製造用の代替品を見つけることができました。新しいSECORA™ Pay Greenソリューションのローンチにより、カード製造業者と銀行はカード製造プロセス中の炭素排出量を2桁削減しながら、革新的かつセキュアなカードを発行し続けることができるでしょう」と述べています。
SECORA™ Pay Greenは、既存のデュアルインターフェース カード製造施設に簡単に導入できるプラグアンドプレイ ソリューションであるため、普及率の高速化に貢献します。eCoMモジュールのもう1つの特徴は、スマートフォンのアンテナとシームレスにやり取りできることです。これによって、コンシューマーにいくつかの利点、特にtap-to-mobileシナリオにおける高い利便性と使いやすさを提供します。さらに、このソリューションにより、リサイクルしたPVC (rPVC)やrPETG、PLA、海岸近くに投棄されたプラスチックごみ、木材、さらには紙のようなさまざまな持続可能なカード素材が利用できるようになります。
調査によれば、顧客はサステナブルに銀行業務に取り組む金融機関に、より魅力を感じることが判明しています。実際に、大多数のコンシューマーは銀行が環境に優しい決済カードを提供することを望んでいます。さらに、金融業界における環境保護に関する規制や法的指令の数も増加しています。予測によると、リサイクルされたrPVC製の決済カードの出荷数は、2028年には世界で約12億枚に増加し、2022年の2億2,600万枚と比較して、約5倍に達する見込みです。(出典:ABI Research、2023)
SECORA™ Pay Greenの詳細は
www.infineon.com