インフィニオン、パワーエレクトロニクス向け300mm GaN生産を加速
インフィニオンの300mm GaN生産は、2025年第4四半期に最初のサンプル出荷を予定しており、垂直統合によりウェハあたりのチップ歩留まりが2.3倍に向上します。
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窒化ガリウム(GaN)半導体の需要が継続的に増加する中、インフィニオンテクノロジーズAGはこのトレンドを捉え、GaN市場における垂直統合デバイスメーカー(IDM)としてのリーディングポジションを確固たるものにしていきます。インフィニオンは本日、300mmウェーハを用いたスケーラブルなGaN製造が順調に進んでいることを発表しました。さらに、同社は2025年第4四半期に最初のサンプルを顧客に提供することで、顧客基盤の拡大とGaN業界におけるリーダーシップの強化に向けて有利な立場にあります。
インフィニオンはパワーシステムにおけるリーダーとして、シリコン (Si)、炭化ケイ素 (SiC)、GaNという3つの半導体材料すべての利用に習熟しています。GaN半導体は、電力密度の向上、スイッチングの高速化、電力損失の低減によって、スマートフォンの充電器、産業用ロボットやヒューマノイド ロボット、太陽光インバーターのような電子機器の設計の小型化、電力消費と発熱の低減を実現します。
インフィニオンのGaNビジネス ライン責任者であるヨハネス ショイスウォール (Johannes Schoiswohl) は「当社の300mm GaN製造の規模拡大によって、最高の価値をより迅速にお客様に提供しながら、GaN製品のコストをSi製品と同等に近づけることができます。インフィニオンが300mm GaNウエハー技術にブレークスルーをもたらしたことを発表してから約1年が経ち、当社の移行プロセスが順調に進展しており、インフィニオンのIDM戦略の強みによって実現したGaN技術の重要性が業界に認められたことを嬉しく思います」と述べています。
インフィニオンの製造戦略は、設計から製造、最終製品の販売に至る半導体製造プロセス全工程を自社で所有するIDMモデルに主に依存しています。同社の自社製造戦略は、市場での大きな差別化要因であり、高い品質、市場投入までの時間の短縮、優れた設計開発の柔軟性といったいくつかの利点をもたらしています。インフィニオンはGaNのお客様のサポートに注力し、信頼性の高いGaNパワー ソリューションに対するお客様のニーズを満たすために生産能力を拡大することが可能です。
インフィニオンは、その技術的リーダーシップを基に、既存の量産インフラにおける 300mm GaNパワー ウエハー技術の開発に成功した半導体メーカーとして初めて成功しました。300mmウエハーでのチップ生産は、確立されている200mmウエハーと比較して技術的に高度であり、また、ウエハーの直径が大きいために1枚あたり2.3倍のチップを生産でき、効率が大幅に向上します。GaNパワー半導体は、AIシステム、太陽光インバーター、充電器、アダプター、モーター制御システムの電源など、産業用、車載用、コンシューマー、コンピューティング&コミュニケーション用のアプリケーションで急速に採用が進んでいるため、インフィニオンの大規模なGaN専門家チーム、業界で最も広範なIPポートフォリオに加え、こういった生産能力の拡大が必要とされています。
市場アナリストは、電力用途向けGaNの売り上げは年率36%で増加して2030年までに約25億ドルに達すると予測しています [1]。インフィニオンは、専用の生産能力と強力なポートフォリオ、過去1年間に発表した40を超える新しいGaN製品によって、高品質のGaNソリューションを求めるお客様にとって最適なパートナーとなっています。
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