www.engineering-japan.com
Rohm Semiconductors News

業界最高※の定格電力4Wを実現した厚膜シャント抵抗器「LTR100L」を開発

産業機器・民生機器の高電力化をサポート。

業界最高※の定格電力4Wを実現した厚膜シャント抵抗器「LTR100L」を開発

<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、産業機器や民生機器などの電流検出用途に最適な厚膜シャント抵抗器「LTR100L」を開発しました。

新製品は、抵抗体材料の見直しと端子温度ディレーティングの適用により、厚膜シャント抵抗器の3264サイズ(3.2mm×6.4mm)では、業界最高の定格電力4Wを達成。回路の高電力化が進む産業機器や民生機器のモーター制御回路及び過電流保護回路の電流検出用途に最適です。また、素子構造の最適化により、厚膜シャント抵抗器として業界トップクラスの抵抗温度係数(TCR)※1も実現。温度の影響を受けにくいため、高精度かつ高信頼の電流検出が可能です。

新製品「LTR100L」は2021年9月より月産100万個の体制で量産(200円/個:税抜)を開始しています。生産拠点は前工程、後工程ともにROHM Electronics Philippines, Inc.(フィリピン)となります。 なお、新製品のサンプルは、インターネット商社のコアスタッフオンライン、チップワンストップでも1個から購入可能です(10mΩ、47mΩ、91mΩより順次提供)。加えて、アプリケーションノートなどの、設計時に役立つ各種コンテンツやツールもローム公式Webで提供しています。(シミュレーション用モデル等も順次公開予定)

今後もロームは、創業製品でもある抵抗器において、低電力から高電力に至るまで、省エネ化・信頼性向上に貢献するラインアップを拡充するとともに、LSI、ディスクリート部品とのソリューション提供など、総合半導体メーカーならではの強みを活かし、産業機器や民生機器の進化に貢献していきます。


業界最高※の定格電力4Wを実現した厚膜シャント抵抗器「LTR100L」を開発
<背景>
近年、産業機器分野や民生機器分野においては、省エネ化が重視されており、モーターのインバータ化などで駆動時の消費電力削減が図られています。また、これらの分野では、アプリケーションの高電力化が進む中で保護回路の重要性も高まっています。
シャント抵抗器は、モーター駆動回路やバッテリー保護回路において電流検出に用いられる部品で、高効率なアプリケーション動作や回路の信頼性向上のために、さらなる高精度化が求められています。
ロームは、シャント抵抗器のラインアップ拡充に注力しており、直近では、2021年2月より、最大定格10Wを保証する金属板シャント抵抗器「GMR320」を量産。また、2018年4月より、定格電力2Wを保証する厚膜シャント抵抗器「LTR50低抵抗シリーズ」を量産しています。今回の新製品開発により、さらに高電力帯まで厚膜シャント抵抗器のラインアップを拡大しました。


業界最高※の定格電力4Wを実現した厚膜シャント抵抗器「LTR100L」を開発
<新製品の特長>
1.厚膜シャント抵抗器3264サイズでは業界最高の定格電力4Wを達成
新製品は、放熱性の高い長辺電極パッケージを採用しています。また、抵抗体材料の見直しと端子温度ディレーティングの適用により、厚膜シャント抵抗器の3264サイズ(3.2mm×6.4mm)では業界最高となる定格電力4Wを達成しました。同サイズの従来品に比べて、約2倍定格電力を拡大しているため、高電力対応が求められている、産業機器や民生機器のモーター制御回路及び過電流保護回路の電流検出用途に最適です。


業界最高※の定格電力4Wを実現した厚膜シャント抵抗器「LTR100L」を開発
2.優れた抵抗温度係数でアプリケーションの信頼性向上に貢献
新製品は、素子構造の最適化により、使用温度範囲内において300ppm/℃以下(抵抗値10mΩ時)という優れた抵抗温度係数(TCR)を達成。一般品と比較して、温度による抵抗値変化を50%~65%程度低減したことで、高精度な電流検出が可能になるため、アプリケーションの信頼性向上に貢献します。


業界最高※の定格電力4Wを実現した厚膜シャント抵抗器「LTR100L」を開発
<セットの設計工数削減に大きく貢献するツールも準備中>
2021年11月より、シャント抵抗器をパワーデバイスやICと組み合わせて、熱解析ができるWebシミュレーション環境をローム公式Webで提供予定(PSRシリーズより提供開始し、順次展開予定)です。本シミュレーションを使用することにより、アプリケーション設計時に課題となる熱設計を事前にシミュレーションできるため、設計工数の削減に貢献します。また、ロームは、ICやディスクリート部品と組み合わせることで、回路の高効率化、小型化などに貢献する電流検出ソリューションを提供しています。例えば、モーターを使用する回路においては、制御や過電流保護を行うための電流検出回路が必要になりますが、業界トップクラスの低ノイズオペアンプとシャント抵抗器を組み合わせることで、高精度の電流検出が可能になります。

<厚膜シャント抵抗器「LTRシリーズ」の製品ラインアップ>
新製品LTR100Lは、厚膜抵抗器のため、比較的容易に抵抗値展開が可能であり、幅広い抵抗値提供が可能です。

業界最高※の定格電力4Wを実現した厚膜シャント抵抗器「LTR100L」を開発

www.rohm.com

  さらに詳しく…

LinkedIn
Pinterest

フォロー(IMP 155 000フォロワー)