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CERNでは、なぜKNFのダイアフラムポンプを採用しているでしょうか―それは、粒子衝突実験のためにコンタミネーションの無い混合ガスを保証できるから

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CERNでは、なぜKNFのダイアフラムポンプを採用しているでしょうか―それは、粒子衝突実験のためにコンタミネーションの無い混合ガスを保証できるから

スイスとフランスをまたぐように設けられたCERNは、さまざまな円形および線形粒子加速器を運用しています。


反物質やヒッグス粒子など、宇宙の構成要素に関する最も驚くべき発見のいくつかは、CERN(欧州原子核研究機構)の粒子加速器が成し遂げた成果です。その粒子の検出器に混合ガスを循環させるポンプは、極めて高い信頼性が求められるうえ、ガスへのコンタミネーションも防がなければなりません。このような厳しい要件を満たすため、同研究所の衝突型加速器では、ダイアフラムポンプ技術で世界をリードするKNFに信頼を寄せています。宇宙は何からできているのか?
世界有数の研究施設であるCERNは、この世界のあらゆるものを構成する粒子の基本的な構造を探求しています。スイスとフランスの国境をまたいで地下深くに設けられた同施設では、複数の円形および線形粒子衝突型加速器を用いて実験が行われており、ヒッグス粒子の発見や反物質の分離など数々の画期的な成果を上げています。

粒子加速器による素粒子レベルでの理解を深めるために
CERNの研究活動には、世界最大で最も複雑な科学機器が使用されています。たとえばCERNが所有する最大の装置である大型ハドロン衝突型加速器(LHC)は、放射線といった環境からの影響を排除するため地下100メートルに設置されています。この装置では粒子を光速に近い速度にまで加速して互いに衝突させます。そして、この衝突中に生じる現象を検出器によって記録します。
 

衝突を検出するためのガス
高エネルギーな粒子がガスと衝突すると、その航跡がイオン化されて残ります。これを電場によって信号として増幅し、電子的に測定することで、粒子の軌道を極めて高い精度で追跡できようにしています。こうした実験の結果から、物質の構造に関する深い知見が得られるのです。

粒子加速器におけるガスの混合には厳しい要件が
CERNでは、LHCによる実験のための検出器に適切な混合ガスを供給するため、約30種のガスシステムを使用しています。こうした混合ガスは、電荷増倍によって記録・分析のための信号を生成するという繊細で高感度な媒体です。そのため、粒子衝突実験を高い信頼性のもとで効率的に運用するには、ガスを正確な組成で安定して混合するのがカギとなります。


CERNでは、なぜKNFのダイアフラムポンプを採用しているでしょうか―それは、粒子衝突実験のためにコンタミネーションの無い混合ガスを保証できるから

CMS(Compact Muon Solenoid)を始めとする検出器が、粒子の衝突がおよぼす影響を観測するために用いられています。



非常に幅広い種類のガスを使用
粒子検出器用の混合ガスは、アルゴンやキセノン、ヘリウムといった希ガスのほか、テトラフルオロメタン、テトラフルオロエタン、六フッ化硫黄、イソブタン、二酸化炭素などの気体からなります。そうした混合ガスを循環させ、コンタミネーションの無い状態を保証するためにKNFのダイアフラムポンプが使われているのです。

高度な専門知識と経験をもとに
数十年にわたりKNFと協力してきたCERNの実験チームからは、当社の専門知識と経験を高く評価いただいています。たとえばCERNにある4つの粒子検出器の一つであるCMS(Compact Muon Solenoid)に対して特定の混合ガスを精製して検出器内を循環させるために新たなダイアフラムポンプが必要となったときには、KNFのポンプ2台が選ばれ、さらに予備として3台目も設置されました。


CERNでは、なぜKNFのダイアフラムポンプを採用しているでしょうか―それは、粒子衝突実験のためにコンタミネーションの無い混合ガスを保証できるから

粒子加速器の複雑な検出器には、多種の超高純度な混合ガスが使われます。


協力してカスタマイズし、衝突型加速器のためのソリューションに
KNFは、CERNとの数十年にわたる良好な協力関係を通じて、同研究所の極めて特殊な用途への理解を深め、それに合わせたカスタムなソリューションを提供できる体制としています。最近もCERNのガス担当チームの皆様と活発に連携して、KNFのプロセスポンプN 0150とN 1200をカスタマイズしました。


CERNでは、なぜKNFのダイアフラムポンプを採用しているでしょうか―それは、粒子衝突実験のためにコンタミネーションの無い混合ガスを保証できるから

CERNが使用するKNFのダイアフラムポンプには、緊密な協力関係が結実した高度なカスタマイズが施されています。


連携して長寿命化を実現
そのほかにも、CERNのガス担当チームの意見をもとに、KNFはポンプの設計を変更してダイアフラムの耐用年数を延長することにも成功しています。また、流量が約170リットル/分のポンプ18台を追加発注いただいたことからも、CERNが変わることなくKNFに信頼を置いていることがわかります。この追加のポンプは2022年に粒子加速器に設置されました。

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