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TDK、AIグラス向けフィジカルAI基盤「AIsight」を本格展開

視線意図検出と超低消費電力処理を中核に、AIグラス向けエンドツーエンド設計を可能にする新DSPプラットフォームとソフトウェア群を展開する。

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TDK、AIグラス向けフィジカルAI基盤「AIsight」を本格展開

ウェアラブル分野、とりわけAIグラス市場では、常時センシングと直感的なユーザー操作を両立させながら、消費電力を極限まで抑える設計が求められている。TDKは、こうした要件に対応するため、フィジカルAIと生成AIを融合したAIグラス向けソリューション事業「TDK AIsight」を立ち上げ、本格展開を開始した。

TDK AIsightは、視線情報を中心とした人の意図理解を可能にするソフトウェア技術と、センサ、バッテリー、受動部品といったTDKのコアデバイス技術を組み合わせ、AIグラス向けのエンドツーエンド・システムソリューションを提供する。AIsightは、AI(人工知能)とeyesight(視覚)を組み合わせた名称であり、物理世界を感知・理解するフィジカルAIを軸に、直感的で自然なユーザー体験の実現を目指している。

AIグラス向け超低消費電力DSP「SED0112」
TDK AIsightの中核となるのが、AIグラス用途に特化して設計された次世代超低消費電力DSPプラットフォーム「TDK AIsight SED0112」である。SED0112は、マイクロコントローラ、ステートマシン、ハードウェア畳み込みニューラルネットワーク(CNN)エンジンを単一チップに統合した構成を採用している。

本デバイスに搭載されたハードウェアCNNアーキテクチャは、特にアイインテント(視線意図検出)処理に最適化されており、常時稼働が求められるAIグラスにおいて高い処理効率と省電力性を両立する。SED0112は、TDKのeyeGenI™センサをサポートし、ホストプロセッサと連携して動作する。

ホスト依存を抑える電力制御アーキテクチャ
SED0112は、TDK AIsightが提供するeyeGI™ソフトウェアおよびアルゴリズムと組み合わせることで、低消費電力動作を前提とした処理オーケストレーションを可能にする。あらかじめ定義された条件が検出されるまで、ホストプロセッサを低電力状態、あるいはオフ状態に維持する構成が取れるため、システム全体の消費電力を大幅に抑制できる。

このアーキテクチャにより、フロー制御の簡素化、複数解像度の映像センサへの対応、省電力機構の柔軟な実装が可能となり、AIグラス設計におけるシステム統合の自由度を高める。SED0112のサンプルは、TDK AIsightの公式ウェブサイトを通じて提供されている。

フィジカルAIと生成AIをつなぐプラットフォーム戦略
TDK AIsight CEOのテ・ウォン・リーは、AIsightの位置付けについて次のように述べている。
「TDK AIsightは、AIグラスのユーザーと生成AIをつなぐための基盤技術を構築するシステムソリューション企業です。視線情報を起点としたコンテキスト認識、情報の記録と呼び出し、画像解析、状況認識をシームレスに統合することで、新たなユーザー体験を創出します。」

また、TDK代表取締役社長執行役員CEOの齋藤昇は、AIsightを同社のAI戦略における重要な柱と位置付ける。フィジカルAIを通じて、デバイスやシステムが物理世界を感知・理解・相互作用することにより、ウェアラブル機器、自律型ロボット、インテリジェント製造など幅広い分野で、状況に応じたパーソナライズAIの実現を可能にするとしている。

CESでの技術展示
TDK AIsightのソリューションおよびSED0112を含む関連技術は、米国ラスベガスで開催されるCESにおいて、TDKブース(#15803)にて展示される。展示では、AIグラスを想定した視線検出および低消費電力処理のユースケースが紹介される予定だ。

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