www.engineering-japan.com

Pale Blue、水イオンスラスタの軌道上での高速起動を実証

軌道上試験でPBIスラスタが起動後129秒で所定推力に到達し、宇宙環境で100%の作動成功率を確認。

  pale-blue.co.jp
Pale Blue、水イオンスラスタの軌道上での高速起動を実証

小型衛星では電力制約や運用モードの都合により、推進系作動中に観測・通信などのペイロード運用が制限されることが多い。こうした背景のもと、Pale Blueは小型衛星向け水イオンエンジン「PBI」の軌道上試験結果を公表し、高速起動性能と宇宙環境での運用安定性を示した。

小型衛星で起動時間が重要となる理由
多くの小型衛星ミッションでは、スラスタ作動が衛星の稼働率(ミッション可用性)に直結する。搭載電力の余裕が限られるほか、システム上の制約により推進運転中は撮像や通信といったペイロード運用を一時停止せざるを得ない場合がある。スラスタが起動して実用推力に達するまでの時間が長いほど、ミッション運用時間はその分失われる。

これは従来型の推進方式でもよく知られた制約である。固体推進剤を用いるスラスタでは、運用条件に到達するまでに起動時間を要する場合があり、その間のペイロード稼働時間を圧迫しやすい。

PBI:運用サイクル短縮を狙った水イオンエンジン
Pale BlueのPBIは、小型衛星向けに開発された水イオンエンジンである。今回の軌道上実証では、地上試験にとどまらず、実運用に近い宇宙環境において高速起動の挙動を確認することに焦点が置かれた。

軌道上での性能:129秒の起動と安定運転
宇宙環境での実証から、主に2点の結果が示された。

第一に、高速起動が軌道上で確認された。起動後129秒以内に所定の推力を発生できることが確認され、固体推進剤を用いる従来方式と比較して起動時間を大きく短縮できる可能性が示された。

第二に、高い運用安定性が報告された。宇宙環境における作動成功率は100%で、推進運用に伴う計画変更や再試行(時間・電力消費)のリスクを抑えられる点が、運用面のメリットとして位置づけられる。

衛星運用に与える意味
高速起動型の電気推進は、軌道上昇、姿勢・軌道維持、衝突回避といったマヌーバを、ペイロード運用に対してより影響の少ない形で実施しやすくする。小型衛星運用においては、指令から実用推力発生までの時間を短縮できれば、ミッション可用性の維持と運用効率の向上に直結する。

www.pale-blue.com

  さらに詳しく…

LinkedIn
Pinterest

フォロー(IMP 155 000フォロワー)