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垂直型電力供給に対応するµPOL電源モジュール

TDK株式会社は、AIサーバーやデータセンター向けに、高電流・低背設計のµPOL電源モジュールを追加した。

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垂直型電力供給に対応するµPOL電源モジュール

TDK株式会社は、µPOL(Micro Point of Load)非絶縁型DC-DCパワーモジュールのラインアップに「FS1525」を追加した。高さ3.82mmの低背設計で最大25Aを供給可能な本モジュールは、AIサーバー、エッジコンピューティング、データセンターシステムにおける高電流・高密度電源要求を想定している。

AI向け電源設計における課題
AIプロセッサや先端FPGA、SoC、ASICでは、低電圧・大電流動作が一般化しており、負荷点近傍での高精度な電圧制御が不可欠となっている。特に3nm~6nm世代のデバイスでは、電源リップルや過渡応答が演算安定性に直接影響するため、PoLコンバータの配置や熱設計がシステム性能を左右する。

従来の水平配置を前提とした電源設計では、配線長や電圧降下、実装面積が制約となるケースが増えており、新たな電力供給アプローチが求められている。

垂直型電力供給を前提としたµPOL構成
FS1525は、複数モジュールを並列接続することで最大200Aまで拡張可能な設計となっている。これにより、PoLコンバータをFPGA、SoC、ASICの直下、あるいはPCB裏面に直接配置する垂直型電力供給アーキテクチャに対応する。

この構成は、電源から負荷点までの距離を最小化し、配線インピーダンス低減と電圧精度向上を同時に実現する点に特徴がある。

3Dチップ埋め込みによる高密度統合
FS1525は、TDKの3Dチップ埋め込みパッケージ技術を採用し、コントローラ、ドライバ、MOSFET、デジタルインターフェース、メモリ、バイパスコンデンサ、パワーインダクタを、7.65 × 6.80mmの単一パッケージに集積している。

熱抵抗1.4K/Wの耐熱化構造アーキテクチャにより、高電流動作時でも安定した熱特性を確保し、従来構成と比べて高密度な電源実装を可能としている。

電気特性と適用電圧範囲
入力電圧は4.5V~16V、出力電圧は0.6V~1.8Vに対応し、AIプロセッサのコア電圧、SERDESレールなどの低電圧電源用途に最適化されている。出力リップルはピーク・ツー・ピーク5mV未満とされており、DSPやイメージング、ATE(自動テスト装置)など、ノイズ耐性が求められる用途にも適合する。

高速過渡応答と差動リモートセンシング機能により、負荷点での正確な電圧制御が可能である。

デジタル制御とシステム管理機能
FS1525は、I²CおよびPMBusによるデジタルプログラマブル制御に対応し、電圧・電流・温度のテレメトリ監視を提供する。これにより、システム運用時の最適化チューニングやフォルト管理が可能となる。

加えて、アナログVout設定にも対応し、主要FPGA/SoC向けのSmartVIDなど、高度な電源制御機能をサポートする。

コンピューティングフォームファクタへの適用
新しいµPOLモジュールは、PCIe、VPX、SMARC、1U~3Uラックシステムといった最新のコンピューティングフォームファクタへの統合を想定している。すでにAltera Agilex、AMD Versal Edge、AMD-Xilinxプラットフォーム向けのリファレンスデザインで採用実績があり、AIおよび機械学習用途での適用が進んでいる。

µPOLポートフォリオにおける位置付け
FS1525は、1Aから200AまでをカバーするTDKのµPOLポートフォリオの一部として、統一されたシステムレベルの電源設計を可能にする。外部補償不要のプラグ&プレイ構成により、設計工数の削減と開発サイクル短縮に寄与する点が特徴である。

25Aおよび50A評価ボードは流通在庫として提供されており、高電流構成向けの評価環境も順次用意されている。

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