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中性原子量子コンピューティング向け紫外レーザー光源

Oxide、量子コンピュータ向け302nmレーザーを投入し、中性原子方式量子ハードウェアに求められる高安定・高精度光源に対応。

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中性原子量子コンピューティング向け紫外レーザー光源

中性原子方式の量子コンピュータでは、計算中に原子状態を制御するために高い安定性と精度を持つレーザー光源が必要となる。こうした背景のもと、Oxide株式会社は中性原子量子コンピュータ向けに設計された波長302nmの紫外レーザー光源の販売を開始した。

量子コンピュータの中核となるレーザー制御
多くの量子コンピュータでは、量子ビットとして機能する原子状態を制御するためにレーザーシステムが使用される。中性原子方式やイオントラップ方式では、冷却、トラップ、量子ゲート操作、読み出しなど複数のプロセスにレーザー光が利用される。

それぞれの工程では、使用する原子種や処理内容に応じて異なる波長や性能を持つ光源が必要となる。そのため、1台の量子コンピュータには複数のレーザー光源が組み込まれるのが一般的である。

量子コンピューティングが研究段階から実用化へと進むにつれ、これらの光源には高安定性、狭線幅、長期的な信頼性が求められている。

リュードベリ状態生成に向けた紫外レーザー
Oxideが発売した紫外レーザーは波長302nmで動作し、イッテルビウム(Yb)原子を用いる中性原子量子コンピュータにおけるリュードベリ状態の生成を目的としている。

リュードベリ状態とは、高励起状態にある原子であり、量子ビットとして機能する原子同士の相互作用を制御するために利用される。この相互作用は量子ゲートの実装や、中性原子方式量子コンピュータのスケーラビリティ向上において重要な役割を果たす。

本レーザー光源は、量子状態の精密な制御に必要な高出力、狭線幅、高い安定性を備えるよう設計されている。すでに初回出荷も完了している。

半導体検査用レーザー技術を応用
本製品は、Oxideが長年開発してきた半導体ウェーハ欠陥検査装置向け深紫外レーザー技術を基盤としている。これらの装置では、高い光学安定性、正確な波長制御、長時間の連続運転が求められる。

こうした技術基盤を量子コンピュータ分野へ応用することで、量子ハードウェアの実用化段階に求められる信頼性の高いレーザー光源の提供を目指している。

量子技術エコシステム向けレーザーソリューション
量子技術市場は、量子コンピューティング、量子暗号、量子センシングなど複数の分野で世界的に拡大している。量子コンピュータ分野では、大手IT企業だけでなく多数のスタートアップ企業が新しいハードウェアアーキテクチャの開発を進めている。

初期の量子コンピュータでは超伝導方式が広く採用されてきたが、中性原子方式やイオントラップ方式は高いスケーラビリティや誤り耐性の可能性から次世代アーキテクチャとして注目されている。

これらの方式ではレーザーによる精密な原子制御が不可欠であり、原子種ごとに異なる遷移波長に対応した光源が必要となる。そのため、安定したレーザー供給は量子ハードウェアのサプライチェーンを支える重要な要素となる。

Oxideは今後、波長変換技術を活用して幅広い波長帯のレーザー光源を開発し、中性原子方式に限らず量子コンピュータ分野全体に向けた光源ソリューションの拡充を進める方針である。

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Edited by industrial journalist, Aishwarya Mambet — AI-powered.

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