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Texas Instruments、800V DC電源でAIデータセンター効率向上
高電圧電源アーキテクチャにより変換段数を削減し、高効率・高電力密度のAIインフラ構築を可能にするソリューションを提示
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AIデータセンター、クラウドコンピューティング、ハイパースケールインフラ分野では、急増するAIワークロードに対応するため電力供給効率の向上が求められており、Texas Instruments IncorporatedはNVIDIAと連携し、800V DC電源アーキテクチャを採用した次世代電源ソリューションを発表した。
本ソリューションは、NVIDIAのリファレンスデザインに基づき構築されており、2026年3月16日~19日に開催されたNVIDIA GTCにおいて、NVIDIAの電源アーキテクチャ展示およびTIブース169で実演された。高電圧電源分配とアナログ/組込み技術を組み合わせることで、AIデータセンターにおける電力供給の効率化とスケーラビリティ向上を目的としている。
AIデータセンターにおける電力分配課題への対応
AIモデルの高度化に伴い、データセンターでは従来の電力分配方式では対応が難しい高電力密度環境
今回の800V DC電源アーキテクチャでは、電源経路全体の変換効率を向上させるとともに、構成を簡素化することでシステムの信頼性と拡張性を高めている。特に高電圧配電により電流を抑制し、配線損失の低減や設備効率の改善に寄与する点が特徴である。
2段階変換による高効率電源供給
本アーキテクチャの技術的特徴は、800Vからプロセッサ電源までをわずか2段階で変換する点にある。まず、800Vから6Vへの絶縁型DC/DCバスコンバータにより高効率で降圧し、その後6Vから1V未満へマルチフェーズバックコンバータで供給する。
この構成により、従来の多段構成と比較して電力損失を抑制しつつ、高電流密度を実現する。特にGPUコアのような低電圧・大電流負荷に対して、安定した電力供給が可能となる。
高電力密度リファレンス設計の構成
今回のソリューションには、複数の電源リファレンス設計が含まれている。800Vホットスワップコントローラは高電圧入力保護に対応し、システムの安全性と拡張性を確保する。
800Vから6VへのDC/DCバスコンバータはGaNパワーステージを統合し、ピーク効率97.6%、電力密度2000W/in³超を達成しており、コンピュートトレイ用途に適している。
さらに、6Vから1V未満へのマルチフェーズバックコンバータは、高電流を必要とするGPU電源向けに設計されており、従来の12Vベース設計と比較して電力密度を向上させている。
これに加え、30kWの800V AC/DC電源ユニットや、電気二重層キャパシタを用いた電力密度40W/in³のキャパシタバンクユニットなども提案されており、システム全体の電力管理を包括的に支援する。
次世代AIインフラに向けた電源設計の方向性
AIおよびエッジコンピューティングの普及により、データセンターではより効率的でスケーラブルな電源設計が不可欠となっている。高電圧DC配電と高効率電源変換を組み合わせた本アーキテクチャは、こうした要求に対応するための一つの設計指針を示すものである。
また、ソリッドステートトランスや冷却分配ユニット、ITラック構成といった周辺インフラとの統合も視野に入れており、システム全体としての最適化が進められている。
このように、電源変換段数の削減と高電圧配電の採用により、AIデータセンターにおけるエネルギー効率と運用性能の向上が期待される。
産業ジャーナリスト、ナタニア・リングドー編集 — AIによる編集
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