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5.7GHz帯ワイヤレス給電システム、産業用途で認可取得
電気興業が産業IoTおよび工場自動化用途向けの空間ワイヤレス給電システムの無線局免許を取得。
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産業環境における配線の削減や柔軟な機器配置を実現する手段として、ワイヤレス給電技術への関心が高まっている。このような背景のもと、電気興業株式会社は、栃木県鹿沼市の鹿沼工場に設置する5.7GHz帯の空間ワイヤレス給電(WPT)システム向け無線局免許を取得した。
産業用途での実証を可能にする制度整備
本免許は総務省関東総合通信局より付与されたもので、5.7GHz帯の空間ワイヤレス給電システム向け無線局としては国内初の認可となる。
空間ワイヤレス給電技術は、離れた位置にある機器へ電力を無線で供給する技術であり、工場や物流倉庫などの産業環境においては、センサー、ディスプレイ、各種IoT機器への給電手段としての活用が検討されている。有線接続に依存しないことで、設備配置の柔軟性向上が期待されている。
日本では制度整備の進展により、920MHz、2.4GHz、5.7GHz帯での空間ワイヤレス給電の活用環境が整備されつつある。特に920MHz帯ではすでに実用化事例が広がっており、より高周波帯域での活用可能性についても検討が進められている。
ビームフォーミングによる指向性給電技術
今回認可されたシステムは5.7GHz帯で動作し、指向性の高いビームフォーミング技術により受電側へ電力を供給する。カメラによる位置推定技術を活用し、対象機器へ向けて電力伝送を行う仕組みとなっている。
安全対策として、カメラによる人物検知に加え赤外線モーションセンサーも搭載されている。これにより、人の存在を検知した場合には給電を停止する二重の安全停止機能が構成されている。
鹿沼工場での実証運用
今回の免許取得により、電気興業は鹿沼工場内において5.7GHz帯空間ワイヤレス給電システムの運用および検証が可能となった。今後は実際の産業環境における性能および安全性の検証を進めながら、実運用に向けた評価を行う計画である。
この取り組みは、配線削減による省力化や設備レイアウトの柔軟化など、産業オートメーション分野における活用可能性の検証の一環でもある。
次世代の産業電力インフラ構築に向けて
本開発は、通信インフラ分野で培われた高周波および無線技術を基盤としている。電気興業はこれらの技術を活用し、空間ワイヤレス給電技術の社会実装に向けた取り組みを進めている。
想定される用途としては、産業分野における省人化、運用効率の向上、ならびに接続機器向けの新たな電力供給インフラの実現などが挙げられる。
産業ジャーナリスト Aishwarya Mambet により編集、AI支援のもと。
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