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08
'13
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STAHL
多彩な機能、より充実した診断オプション、高い可用性。アール・シュタールから、さらに進化したリモートI/OシステムIS1+が登場
ドイツ・ヴァルデンブルクのアール・シュタール(R. STAHL)は、防爆リモートI/OシステムIS1+を発売し、これまで当社の主力を担ってきたIS1を大きく刷新します。今回発売するIS1+には、現在はもとより将来的に求められる条件にも対応できる多彩な機能を盛り込みました。この数年にわたってIS1は、危険場所における技術上の優位性を保ってまいりましたが、こうした実績は、たとえばFast Ethernet接続、PROFIBUSの冗長化、DTMのサポート、光リング型トポロジーの形成、電磁バルブの統合に対応したモジュールといった数多くの革新的な新機能によるものです。そこで、新しいIS1+では発売当初から、それらを上回る機能を与える一方、既存の工場や機械等に対してこれまでになされた投資をも活かせるよう十分に配慮しました。そのため、この新I/Oモジュールは、先行製品に対して完全な後方互換性を具えます。したがって、ユーザの皆様は、プロジェクトの計画や配線になんら変更を加えることなく、旧来の機器を交換・更新できます。
図:多彩な新機能をもつアール・シュタールの新しいリモートI/OシステムIS1+。新たにモジュールを組み合わせれば、たとえ信号密度が低くとも、ソリューションの効率を高めることができます。そして、モジュールの種類が50%も減り、スペアパーツの在庫費用を最小限に抑えられます。そうしたモジュールとしてIS1+では、HARTプロトコルによる8チャンネル・アナログI/Oモジュール、16チャンネル・デジタルI/Oモジュール、抵抗温度計や熱電対用の8チャンネル温度測定モジュールなどを用意しました。これらモジュールでの信号はチャンネルごとに個別に設定できます。さらに、アール・シュタールでは、大多数の本質安全防爆構造の電磁バルブに対応できるよう出力を高めたデジタル出力モジュールも提供しています。また、IS1+には、危険場所Zone 2の設備においてZone 0もしくは1以上の本質安全防爆構造フィールド機器に接続するように設計され、同等の機能群を備えながらも価格の最適化をはかったZone 2用I/Oモジュールも揃えました。加えて、このIS1+では、特別にその入出力レベルに合わせた低電力技術を開発しました。この技術から、各モジュールは-40~+75℃までの広い温度範囲に適したものとなり、耐用年数も15年へと飛躍的に延びています。
そのうえ、診断機能も大幅に拡充しました。Zone 1用モジュールはすべて、各チャンネルに1つもしくは2つのLEDを備えます。そして、アナログ・モジュールであれば、赤色LEDで回線異常を知らせます。一方、デジタル・モジュールでは、これに加え、黄色LEDでスイッチング・ステータスを表示します。そのため、現場でエラー箇所を特定するもの極めて簡単です。さらに、すべてのモジュールはNAMUR NE 107に準拠した自己診断機能を具備しています。これにより、モジュールからは、障害が実際に生じるに先立ち、適宜“Maintenance Required(要保全)”の警告が発信されます。また、モジュール自体では、その上面の青色
LEDによって保全の必要性を明瞭に示します。そのほかの新機能として、フィールドバスと同様に信号品質の状況を“Good(正常)”“Bad(異常)”と特性化するプロセス信号用ステータス・ビットも備えています。
この新世代製品IS1+は、これまでIS1が打ち立ててきたと同様、多目的に使え、高いコスト効率を誇ります。また、一貫した本質安全防爆構造を採用し本質安全防爆対応のフィールドバスを構成することから、危険場所でも、既設システムへの変更や拡張がシステムをシャットダウンすることなく容易に行えます(ホットワーク/ホットスワップ対応)。アール・シュタールは、こうしたシステムに関する事業分野で、30年以上にもおよぶ経験と、国際的な防爆認証や造船認証はもとよりあらゆる自動システムや対応バスプロトコルについてのノウハウを最大限に活用しています。こうして広く総合的な専門知識に基づくからこそ、アール・シュタールには、このIS1+にみられるような世界のどこへでも設置できる最適なリモートI/Oソリューションを創出するはるかに高い能力があるのです。