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遠隔操縦無人機(RPA)システムの米メーカーGA-ASIが、GEの金属3Dプリンターで造形した部品を搭載した機材で初のテスト飛行を完了

米ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ社(General Atomics Aeronautical Systems、Inc.、以下「GA-ASI」)は、同社初となる金属3Dプリンターで造形した部品を搭載しての遠隔操縦無人機SkyGuardiaのテスト飛行を完了し、技術的に重要なマイルストーンを達成した。

遠隔操縦無人機(RPA)システムの米メーカーGA-ASIが、GEの金属3Dプリンターで造形した部品を搭載した機材で初のテスト飛行を完了

GEアディティブのコンサルティングサービスAddWorks(アドワークス)チームは、遠隔操縦無人機(RPA)システムの米メーカーGA-ASI 米ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ社(General Atomics Aeronautical Systems、Inc.、以下「GA-ASI」)のアディティブ・マニュファクチャリング(以下、AM)推進戦略を支援しています。

設計からテストフライトまで6か月
GA-ASIは過去9年間にわたり樹脂のAM分野で多くの経験を積んでおり、近年では金属材料を使ったAMへと範囲を広げ、金属3Dプリンターを活用してAM活用を推進するべく、ロードマップを作成しAM専属チームを発足させました。

同社のAMチームは必要となるエコシステムを確立させたのち、採算性を伴ったAM対象として有望な部品と適用方法(アプリケーション)を特定しました。

昨年、GA-ASIのAMチームは自社でのレーザー粉末床溶融(LPBF)技術の活用を推進させ、AM部品を搭載してのテスト飛行を早期に実現させることを目的に、GEアディティブのコンサルティングサービスAddWorks(以下、アドワークス)の活用を決めました。

GA-ASIとGEのアドワークスチームは2019年4月にコラボレーションを開始しました。これには、アディティブ設計(DfAM)トレーニング、事業化プロセスの開発、チタンおよびその他の金属の材料検証など、部品設計の最適化と認定の迅速化を目的とした、エンジニアリングの広範なコンサルティングサービスが含まれます。

コラボレーション開始から8ヶ月以内に、この集中的な協業の結果、GA-ASIのAMチームは、自ら設定したマイルストーンを達成しました。2020年2月初旬に、同社初となる金属3Dプリンターで造形した部品(チタンTi 6 Al 4 V製のNACAインレット)を搭載しての遠隔操縦無人機SkyGuardiaのテスト飛行を完了させたのです。

採算性を考慮したビジネスケースの策定と対象部品の選定

早期に結果を出すために、GA-ASIのAMチームはAMでの製造に適した部品の選定を早くから進めており、それらを自社の事業戦略的なプライオリティと照らし合わせていました。その過程でNACAインレットがSkyGuardianプログラムで初となる金属3Dプリンター製の部品の有力な候補として特定されました。

採算性や部品の重要度、プログラムに与える影響などを考慮したのち、GA-ASIは認定を受ける最初のAM造形部品としてNACAインレットを選択しました。アドワークスチームは、設計の潜在的な可能性を示し、NACAインレットの事業化プロセスと生産準備を加速させ、GA-ASIのAMチームをサポートすることができました。また、認定におけるリスクを低減するための専門知識を提供しました。

アドワークスのオペレーションプロジェクトマネージャーで、GA-ASIと協力しているチームの一員であるローレン・トンプソン(Lauren Thompson)は、「金属AMプログラムを成功に導くには、組織内において複数の部門にまたがるステークホルダーからの支持を得る力が大変重要です。GEのこれまでの経験と視点をGA-ASIのリーダーシップの取り組みに加えることで、合同チームはマイルストーンを達成するために必要なプロジェクトの勢いを得ることができました。当社の金属AMに関する深い専門知識と自らのAM活用経験から得たベストプラクティスを、GA-ASIのアプリケーションに関する深い専門知識と組み合わせることにより、限られた期限内に素早くプロジェクトを進めることができました」と述べています。

重量、コスト、部品数の削減
テスト飛行の成功をうけて、NACAインレットはSkyGuardianプログラムの最終認定段階に入ります。チタン素材(Ti6Al4V)で一体造形されたNACAインレットは、重量、コスト、部品数の削減を実現しました。従来の製造方法では板金チタンを溶接成形した3つの部品で構成されており、金型や労働力、溶接検査の面で課題がありました。

AMで製造されたインレットは一体造形された1つの部品となっており、部品1つあたりの製造コストを9割以上削減し、重量を30%削減、金型関連コストを約85%削減しています。

量産への道筋
2019年までのAM分野での実績とプロジェクトの推進の結果、GA-ASIはGEアディティブの金属3Dプリンター、「コンセプト・レーザー M2シリーズ5」を複数台発注しており、今年のうちにカリフォルニア州パウウェイにある同社のアディティブデザイン&製造センター(Additive Design&Manufacturing Center of Excellence)に設置され、同社が持つ既存の非金属AM能力に金属AMの製造能力を追加する予定です。

生産体制を確保する戦略は、事業化レベルの製造を達成するために必要な知識とツールのエコシステムを確立することでした。社内に造形能力を有することで、GA-ASIのアプリケーション分野での開発と、ニーズに応じた迅速な製造の両方が可能になります。

GEアディティブのアドワークスチームはGA-ASIの信頼できるアドバイザーになっており、今後もさまざまなプログラムでAMを活用した部品やコンポーネントの導入を進めるなかで、コンサルティングや専門的アドバイスを提供していきます。

GA-ASIの先端製造技術担当シニアバイスプレジデントを務めるエリー・イェヘッケル(Elie Yehezkel)氏は次のように述べています。「GEのアドワークスチームと協力することで、NACAインレットの認証を得るという短期的な目標を達成しただけでなく、2020年以降も継続する様々なアプリケーション開発や認証に向けた取り組みにおいても協力を続けています。製品やお客様のために最先端の製造技術を維持することが重要です。協働による加速は当社のAM戦略の成熟度を高めており、パイプラインに含まれている広範なアプリケーションへのアプローチ方法へも示唆を与えています」

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