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'22
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GE News
画期的なジェットエンジン洗浄方法 “GE 360 フォームウォッシュ” のCF34向け技術ライセンスを 世界で初めてJALに認定
このたび、GEアビエーションは日本航空(JAL)に対し、GE製CF34-8Eエンジン向け360フォームウォッシュを使用する技術ライセンスを認定しました。これにより、JALはこの画期的なジェットエンジン洗浄方法(特許取得済)に関し、世界初のCF34エンジン向けグローバル・オペレーターとなるとともに、初のリージョナルジェット・オペレーターともなります。
CF34-8Eエンジンは、JALグループエアラインのJ-AIR社が運航するエンブラエル170型機に搭載されています。GEアビエーションによるトレーニングとテストを経て、JALの技術者はCF34-8Eエンジンのメンテナンス方法として360フォームウォッシュを自ら行うことができるライセンスを取得しました。
GE 360フォームウォッシュは従来の水による洗浄方法に置き換えることが可能です。その上、エンジンの性能を向上させることで燃料消費量を抑制し、「タイム・オン・ウィング(エンジンを取り外すことなく運用できる期間)」を延ばすことができます。独自に調合した洗浄液を注入して、エンジン内に蓄積する付着物を取り除くことで排気ガスの温度を下げ、コンプレッサーの効率を向上させます。
試算では、CF34エンジンの洗浄について従来の水洗浄の一部を360フォームウォッシュに置き換えることでJALは1年間に最大82,000Lの燃料を節約できるとともに285tのCO2排出量の削減が期待できます。
JALの整備本部長の田村亮氏は次のように述べています。「このたびの360フォームウォッシュの導入は、CO2削減のためにJALグループが行なう具体的な取り組みの一つとなります。360フォームウォッシュに取り組むことで、より環境にやさしい航空機を作りこみ、だれもが豊かさと希望を感じられる未来を目指します。」
GEの360フォームウォッシュはカート一体型システムで、整備ハンガーの中あるいは外のどちらでも使用可能です。また、GE90やGEnx、CF34、CF6といった複数のGE製エンジン・プログラムに使うことも可能です。
GEアビエーションのAfter Market Strategic Solutions副社長兼ゼネラルマネージャーのトム・レヴィン(Tom Levin)は次のように述べています。「おかげさまでGEアビエーションはJALと長期にわたる信頼関係を築いております。さらに、このたびはCF34向け360フォームウォッシュというエンジンメンテナンスが導入され、新たな一例が加わることとなりました。このことは、私たち両社が画期的な技術の活用でパフォーマンスを向上させ、航空機エンジンの稼働を維持するためにいかに連携しているかを良く表しています。」
GEが掲げる「building a world that works」に向けて、GEアビエーションは360フォームウォッシュなど航空産業をリードするテクノロジーとイノベーションで挑戦しています。私たちはすでに次世代のテクノロジー開発に乗り出しており、未来の空の旅をより良いものにするため燃料消費率の向上とCO2排出量の削減に取り組んでいます。さらに、スコープ3排出量(※)を含め2050年までにCO2排出量ネットゼロ企業を達成するという高みを目指して努力を重ねていきます。
(※)スコープ3排出量:企業などのサプライチェーン全体から温室効果ガス排出量を3つに分けたうちの1つ。製品の生産プロセスの前後(原材料調達時、製品の輸送時、使用時、廃棄時など)で排出される温室効果ガスのことをスコープ3排出量と呼ぶ。
なお、CF34エンジンを含むすべてのGE製エンジンはSAF(持続可能な航空燃料)で動作が可能です。従来のジェット燃料と違い、SAFの原料には植物油、藻類、グリース、脂肪分、廃棄物の処理過程で発生する物質、アルコール類、糖類、回収したCO2、その他の代替原料やその製造過程で産出する副産物なども含まれます。
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