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TDK News
インダクタ: NFC用の低抵抗積層チップインダクタの開発と量産
TDK株式会社(社長:石黒 成直)は、NFC用インダクタ「MLJ-H1005シリーズ」を 開発し、2021年2月から量産することを発表します。
- 新材料開発により大電流印可時における交流抵抗の低減を実現
- インダクタンスの狭公差±5%対応
- 小型低背サイズで磁気シールド構造による漏れ磁束抑制
本製品は、NFC回路のLCフィルタに使用されるインダクタです。アンテナとのインピーダンス不整合による損失を小さく抑えるために狭公差を求められおり±5%でラインアップしました。また、アンテナの出力低下を防ぐため、通信周波数である13.56MHzにおけるインダクタ損失の抑制が重要となります。そのため、交流抵抗(Rac)が低く抑えられ、かつ、電流を流した際にも低いRacが維持されていることが求められます。
既存のMLJ-Wシリーズは低Racを実現しており、MLJ-Hシリーズでは超低損失材料の開発により大電流印可時の低Racを実現しました。
NFC回路はスマートフォンやスマートウォッチ等のウェアラブル端末、周辺機器への搭載が急速に進んでいます。また、キャッシュレス決済等のタッチレス社会への実現に向けて多様な活用が期待されています。今後、TDKではそれらのニーズに対応すべくラインアップの拡充を図り、お客様の要求に応えてまいります。
用語集
- NFC:Near Field Communicationの略称。近距離無線通信のひとつで、NFCに対応した機器同士を近づけることで、データ通信や認証を行う
主な用途
- NFC回路
主な特長と利点
- 大電流印可時における交流抵抗の低減を実現し損失を抑制
- インダクタンスの狭公差±5%対応でアンテナとのインピーダンス不整合による損失を抑制
- 小型低背サイズで省スペース、漏れ磁束抑制構造による高密度実装が可能
主な特性
生産・販売計画
- サンプル価格 : 30円/個
- 生産拠点 : 日本
- 生産予定 : 200万個/月(当初)
- 生産開始 : 2021年2月