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02
'21
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Yokogawa News
【横河バイオフロンティア/Bloom Biorenewables】横河バイオフロンティアとBloom Biorenewablesがリグニン系バイオマスマテリアル事業の日本での展開に向けて代理店契約を締結
横河電機株式会社の子会社である横河バイオフロンティア株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:伊賀 光博)と、スイスのスタートアップ企業であるBloom Biorenewables SA (ブルームバイオリニューアブルズ 本社:スイス、マルリー CEO:Dr. Remy Buser 以下、Bloom)は、バイオマスマテリアル事業を国内で展開していくため、代理店契約を締結しましたのでお知らせします。
今回の合意により、横河バイオフロンティアは、石油化学製品の代替品に関心を持つ日本の化学、食品、化粧品、製薬業界のお客様にBloom製品を提供し、市場開拓を行います。
今回の代理店契約は、2020年8月に横河電機とBloomが締結した出資および業務提携契約に基づいています。これにより、横河バイオフロンティアとBloomは、日本における需要とお客様のニーズを把握し、Bloom製品を拡販していきます。Bloom製品の国内市場への提供は、1月に設立した横河バイオフロンティアが最初に着手する取り組みであり、同社はさまざまな産業へバイオマスマテリアルを提供する企業としての第一歩を踏み出します。
Bloomは、植物由来のバイオマス材料から化学物質や燃料を製造する画期的な技術を所有しています。同社は、非食用の農業廃棄物や木材に含まれるヘミセルロースやリグニン※など、植物のあまり利用されてこなかった成分を使って、付加価値の高い製品を作ることに注力しています。これらの新しいバイオマス由来の製品は、香料、フレーバー(食品香料)、化粧品、医薬品などで使用されている化石資源由来の原料を代替することが期待できます。バイオマス由来の化学物質の可能性は注目を集めており、製品の市場投入を加速するため、Bloomは投資ファンドのBreakthrough Energy Ventures-Europeなどからの追加投資を受けるに至っています。
横河バイオフロンティア社長の伊賀光博は次のように述べています。「今回の代理店契約によって、Bloomとの具体的な協業がスタートします。当社は、この取り組みが長期視点で構築していく環境事業ポートフォリオの重要な柱とすることを目指します。今後両社はさらに連携を深め、環境に配慮した材料の地球規模での普及に取り組んでまいります。」
※ リグニンは、陸上植物の主要構成成分の1つです。セルロースとヘミセルロース繊維を結合させ、植物細胞壁の構造を形成します。リグニンは、モノリグノール(再生可能なフェノール化合物としては地上で最も多い化合物)から構成されています。フェノール類は現在、石油からのみ合成され、多くの化学製品、医薬品、およびプラスチック、インク、香料などの機能性化学品の主原料として使用されています。リグニンを石油化学製品の代替品として使用するためには、リグニンをモノリグノールに分解する必要があります。しかし、リグニンは多様かつ複雑な分子構造を持つため、これを商業規模で行うのは困難とされていました。Bloomの化学技術は、初めてリグニンをモノリグノールに高い収率で変換し工業用途とすることに成功し、その可能性を最大限に引き出すことができます。
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