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07
'21
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Hitachi Construction Machinery News
脳波を活用した疲労検知技術を有する豪州のスマートキャップ社を買収
鉱山の安全性向上に寄与するソリューションを強化、鉱山運行管理システムの高度化を実現。
疲労検知デバイス 使用イメージ日立建機株式会社(執行役社長:平野 耕太郎/以下、日立建機)のカナダにある連結子会社Wenco International Mining Systems Ltd.(取締役社長兼CEO:Andrew Pyne(アンドリュー パイン)/以下、ウェンコ社)は、5月1日、ダンプトラックなどのオペレータの脳波を分析して疲労を検知する技術を有する豪州のSmartCap Technologies Pty Ltd(CEO:Tim Ekert(ティム エカート)/以下、スマートキャップ社)を買収しました。本買収により、ウェンコ社は、スマートキャップ社の脳波を活用した疲労検知技術を自社の鉱山運行管理システムに適用し、鉱山の安全性向上に寄与するソリューションを強化します。
安定した稼働が求められる鉱山現場において、超大型油圧ショベルやリジッドダンプトラックのオペレータは周囲環境に留意しながら、長時間にわたり運転操作を繰り返す必要があります。オペレータは、適切なシフト管理により運転操作に従事していますが、疲労度には個人差があり、また、その日の体調などにも左右されます。オペレータの疲労による集中力の低下や居眠りが発生した場合は、重大な事故につながる可能性があります。
スマートキャップ社の技術は、ヘルメットなどの内部に疲労検知デバイスを装着し、オペレータの脳波の変化から疲労度をリアルタイムに検知します。これまでに大規模鉱山のお客さまを含め、長距離を運転するトラックオペレータなど5,000名以上*1の使用実績があります。オペレータの疲労を検知する手法は、これまでに自動車を中心にカメラ映像を分析する方法など、さまざまな手法が提案されています。スマートキャップ社の技術は脳波を活用するため、オペレータの運転中の姿勢の変化や身体的特徴などの影響を受けずに、安定して疲労度を検知できる点が強みです。疲労検知デバイスはスマートフォン用のアプリと連携し、警報によりオペレータの居眠りを抑制するほか、運行管理者に注意喚起を促すこともできます。
日立建機とウェンコ社は、今回の買収により、鉱山の安全性向上に寄与するソリューションを強化し、鉱山運行管理システムを高度化します。例えば、疲労状態を考慮した人員交代のタイミングや負担の少ない走行ルートを、鉱山運行管理システムが自動的に作成してオペレータに指示することができるようになります。
日立建機グループは、これまでも、社外の技術やサービスを用いて新しい価値を創り出す「オープンイノベーション」を進めてきました。今後も、事業戦略上必要となるオープンイノベーション活動を加速させ、世界中の鉱山業界のお客さまに、ICT、IoTを活用したソリューション「Solution Linkage」を提供し、お客さまの求める、より高い安全性と生産性の向上に貢献していきます。
*1:2021年4月時点。
ウェンコ社 CEO アンドリュー パインのコメント
ウェンコ社は、スマートキャップ社がお客さまの安全性の向上に寄与する功績を長い間、見守ってきました。最終的には、両社の技術、人財、ビジネス上の関係性をウェンコ社に集約することが、鉱山現場の安全性向上に寄与するビジョンを実現するために、最大の機会になると判断しました。
スマートキャップ社 CEO ティム エカートのコメント
今回の買収は、スマートキャップ社にとって重要なステップです。私たちは、会社設立から今日に至るまでに大きな進歩を遂げ、オペレータの疲労による事故防止に努めてきました。ウェンコ社の一員になることで、私たちはさらに成長し、より多くの産業で安全性の向上に寄与できると確信しています。
ウェンコ社の概要
スマートキャップ社の概要
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