高精度かつ低コストに圧力測定を実現する、車載向けセンサ信号処理IC「RAA2S425x」ファミリを発売
強化されたアナログ信号処理回路とデジタル信号処理回路を1チップに集約し、設計の効率化と低コスト化を実現。
車載向けセンサ信号処理IC、RAA2S425xを発売
ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、車載向け圧力センサ用信号処理IC「RAA2S425x」ファミリを発売しました。新製品は、電気自動車やハイブリッド車(xEV)のブレーキ、トランスミッションおよび空調制御(HVAC)システムの圧力測定に適したセンサ信号処理ICで、高精度な増幅とセンサ固有の補正を実現します。アナログ信号処理回路とデジタル信号処理回路を1チップに集約し、設計の効率化とBOMおよび製造コストを削減します。
RAA2S425xは、主要な圧力センサをサポートする高性能なアナログフロントエンド(analog front end: AFE)を搭載して信号処理を強化しました。また、ほぼすべての抵抗ブリッジに対応する拡張アナログセンサオフセット補正機能(extended analog sensor offset compensation: XSOC)を搭載。-40℃~150℃の広い温度範囲で0.35%~1.0%の高精度な圧力と温度計測が可能です。
RAA2S425xは、16ビットのRISCマイコンを内蔵しており、オフセット、感度、温度ドリフト、非直線性をデジタルで補正することができます。また、信頼性の高い不揮発性メモリを搭載しており、車載用の厳しい環境下でも校正係数や設定データを保存することができます。RAA2S425xは、校正機器とデジタル通信することで、校正時におけるノイズの影響を低減できます。検出素子のトリミングを必要としないデジタル校正のため、ユーザは製造コストを低く抑えることができます。RAA2S425xは、過電圧・逆極性保護回路、優れた電磁互換性、および複数の優れた診断機能を備えており、ISO26262に準拠した機能安全レベルASIL-Bをサポートします。これらにより、過酷な使用環境でありながら安全性が求められる車載アプリケーションに最適です。
ルネサスのオートモーティブセンサ事業部の事業部長、Christian Wolf、次のように述べています。「RAA2S425xファミリは、ルネサスのアナログとデジタルの双方の技術用いて、自動車業界のお客様に素晴らしい機能を提供します。この新しい圧力センサソリューションにより、お客様は設計時間を短縮し、車載の厳しい安全要件を満たす高精度で信頼性の高いシステムを実現することができます。」
車載圧力センサ向け信号処理IC RAA2S425xの主な特長
- 高性能アナログフロントエンド(AFE)による信号処理の強化
- 0.35%~1.0%の高精度な圧力測定が可能、13~18ビットの有効ADC分解能
- -40℃~150℃の広い温度範囲に対応、自動車用信頼性試験AEC-Q100 グレード0 (-40℃~150℃)に対応
- ISO26262に準拠した機能安全レベルASIL-Bをサポート
- 拡張アナログセンサオフセット補償(XSOC)により、多様な抵抗ブリッジをサポートし、選択可能なオンチップPTAT (proportional to the absolute temperature) 温度センサをサポートすることで、外部温度センシングが可能
- オフセット、感度、温度ドリフト、非直線性をデジタルで補正し、精度を向上
- デジタル校正により、検出素子のトリミングが不要となり、製造コストを削減
- 信頼性の高い不揮発性メモリに校正データと設定データを保存
- レシオメトリックなアナログ出力信号、出力更新レートは最速モードで100µs
- フェールセーフ動作のための診断および故障チェック機能
- 静的診断モードと一時的診断モードを利用可能
- 4mm x 4mmの24ピン ウェッタブルフランクQFNパッケージを採用
ルネサスは、ユーザの設計を加速させ、より早く市場に投入できるよう、ルネサス製品のポートフォリオを組み合わせたソリューション「ウィニングコンビネーション」を開発、提案しています。新製品RAA2S425xと、マイコンやアナログ、パワーマネジメント製品と組み合わせ、ブレーキ、トランスミッション、HVACシステムでの圧力測定向けウィニングコンビネーションを、今後提供予定です。車載向けウィニングコンビネーションはこちらからご覧いただけます。https://www.renesas.com/application/winning-combinations-automotive
www.renesas.com