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'22
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Fischer Connectors
小さいフットプリントで高速データ通信:小型・多極のコネクタ・ソリューション 信号・電力用コンタクトで小型電子機器に最適な新製品
スイス本社のフィッシャーコネクターズグループは、コネクタ・ソリューションの小型・多極化の極限に挑戦し続けています。当社は、超小型でも堅牢なコネクタ、ケーブルアセンブリ、電子機器ソリューションのシリーズの品揃えを拡大しました。過酷な環境での使用、小さいスペースにコネクタを取付けることが可能、高速データ転送対応、電源と信号の一体化の要件に適合します。
フィッシャーMiniMax™シリーズでは、クラス最高の小型・多極コネクタを販売していますが、ピンレイアウト、本体サイズ、データ転送速度について新規にコネクタ3品種と関連するケーブル加工をリリースしました。
• 新しいピンレイアウト構成:7極(4x信号用、 3x電力用)、Ø 10mmのレセプタクル(コネクタ本体品名「サイズ06」)、最大22 AWGに対応、3種類のロック機構を選択可能(プッシュプル、クイックリリース、スクリュー)、ネットウォーリアー(Nett Warrior)コネクティビティ・エコシステムなど、小型と高耐久を両立したアプリケーションの設計に最適
• 新しい本体サイズ:Ø 14.0 mm(コネクタ本体品名「サイズ10」)、12極の信号・電力用コンタクト、USB 3.2 Gen2(10Gbps, ケーブル長1m)と 最大定格電流 8Aに対応、高速インターコムボックスや次世代ハブに最適
• 新しい超高密度:30極(24x信号用、6x電力用)、Ø 14.0mm(「サイズ10」、高速データ通信(HDMI、USB、Ethernet)に対応、計測機器、無人探査機、センサ、IoT接続向けに小型・多極レイアウト製品を追加
小型・多極とパッケージ係数の最適化によって、広がる設計の可能性
MiniMaxシリーズは、小型・多極を推し進めて、高密度化パッケージ係数の最適化によって、多種多様な小型・軽量な電子機器に適用されています。コネクタ自体の多様な仕様に加えて、オーバーモールド加工でコネクタ本体にケーブル取付をストレート、直角、60度に配置したケーブル加工、電子機器システムに加えて、エコシステム全体のSWaP(サイズ、重量、電力)要件に適合するように設計したハブ、フラッシュメモリ、フレキシブルPCBなどの電子機器ソリューションがあります。
電子機器を設計するエンジニアは、設計の可能性を多様に広げることができ、さまざまなコネクタ・ソリューションの中から、特定のシステムレベルや使用する環境の技術要件、厳しい動作条件、コスト効率などの判断基準に合致したものを選択いただけます。
コネクタ・ソリューションの小型化は、電子機器への組込みに大きな利点をもたらします。たとえば、24極の信号・電力用コンタクトで直径12mmのレセプタクル(サイズ08)は、同じピン数のMILコネクタと比べて、45%の省スペース が実現できます。小型サイズの電子機器は、センサ、モバイル、ウェアラブル用電子機器、自律ロボット、無人走行車などに適しており、これらは需要増加の傾向が展望されています。サイズに加え、軽量の部品が必要になるということでもあります。フィッシャーMiniMax™シリーズは、MILコネクタと比して75%の重量低減を達成し、小型サイズと軽量化により組込みの負荷の最小化とともに、信号・電源の一体型や高速データ転送の対応で伝送性能を最大限に高めて魅力的な製品を目指しています。
クラス最高の高耐久で小型・多極コネクタが、フィッシャーMiniMax™コネクタの設計テーマです。コネクタ本体「サイズ06」は、わずか10mmのフットプリントに最大12極の電源・信号用コンタクトで密度係数0.83に相当し、コンタクトピン0.5mmで構成した高耐久コネクタのカテゴリーでは比類のない製品といえるでしょう。密度係数の定義はシンプルで、レセプタクルの直径寸法を、最大極数で割った値です。
小型軽量の電子機器のなかでも、高い耐久性や長いライフタイムの要件がある製品には、コネクタ・ソリューションにも小型軽量だけでなく高耐久性の両立が重要です。これらの要求が厳格である場合、適切なコネクタを選定すれば機器設計や組込みに無理がなく確実で適切な性能を得ることができます。フィッシャーMiniMax™シリーズの主要な信頼性特性をあげると、着脱回数5,000回、360度のEMCシールド、IP68防水性能(水深20m/24時間)、気密性能(10-6mbar l/s)、高い腐食耐性、動作温度(-40℃~+135℃)、ブラインド嵌合、3種類の確実なロック機構(プッシュプル、クイックリリース、スクリュー)、ベンドリリーフやストレートまたは角度のついたオーバーモールドのケーブル加工が提供できます。
採用事例:高耐久と小型・多極を最大活用
無人航空機(UAV)向けLiDAR(ライダー)フランス南部を本拠地とするイエロースキャン社は、遺跡調査、道路や鉄道路線の地形調査、フランス領ギアナでの熱帯雨林の航空調査などの調査活動向けに軽量のUAV-LiDARマッピングソリューションを設計しています。フランス領ギアナの調査では、気候変動の影響を調べるためにキャノピー(高木の枝葉)と地形の両方をマッピングしました。3個のフィッシャーMiniMax™シリーズを使用したイエロースキャン社のマッパーのLiDARシステムの主な要件としては、スペースと重量、耐久性のある材料、振動への耐性、高い防塵防水性能、ピン数の多さ、EMIシールドが挙げられました。
イエロースキャン社のマッパーはフィッシャーMiniMax™コネクタを3個使用しています。その内訳は、外部電源ポート用に4極、LiveStationポート用に24極(RJ45およびUART)、オプションのカメラポート用に19極(USBおよびGPIO(汎用入出力))です。
ひずみゲージセンサ:ロボット、医療機器、自動車で機器やシステムを安全かつ正確に動作させるためには、力およびトルクを常に監視する必要があります。高信頼性の計測結果を得るための実績に裏付けられた手法の一つが、ひずみゲージ法です。センサが非常に小さいため、コネクタ接続もそれに合わせて最小化する必要があります。また、振動が大きい場合でも、安定したデータ通信が求められます。ドイツのME-Meßsysteme社のエンジニアは、このようなデータ通信と振動耐性の要件に適合するために、小型で堅牢なフィッシャーMiniMax™シリーズを選択しました。
ME-Meßsysteme社の6軸力センサには、フィッシャーMiniMax™ シリーズの高性能で堅牢なMP11コネクタが採用されています。
CEOとCTOからのメッセージ
Jonathan Brossard (フィッシャーコネクターズCEO ) 「超小型、多極、高速データ通信対応 これらすべてに対応する高耐久コネクタの設計と製造には、研究開発と生産部門に小型化とラグド設計に関わる専門的なノウハウとスキルが必要です。私どもは、クラス最高の小型・高密度と比類ないエルゴノミクスと堅牢設計を両立したコネクタ・ソリューションをエンジニアの皆様にお届けできることを誇らしく思っております。」
Jérôme Dabonneville (フィッシャーコネクターズCTO) 「センサを活用したデータ収集と伝送、電子部品や機器の小型化 傾向 - これら二つの要因が軽量、多極、超小型コネクタならびにそれを使用したケーブル加工やソリューションの技術革新を推し進めています。シグナル・インテグリティ、信号と電源の伝送路の最適化、伝送品質と信頼性などの課題を、電子機器やシステムの小さなフットプリントで実現したい。そのような需要が増加していると認識しています。このたび新製品を発表したフィッシャーMiniMaxTMは、このような要件への適合を視野に入れた超小型コネクタ・ソリューションです。この製品は、IEC、EIA、MILなどの国際規格に基づいた信頼性試験に適合しているため、過酷な環境でも高い性能と信頼性で使用でき、防衛・セキュリティ、UAV、計測機器などの用途に適合すると考えています。」
フィッシャーコネクターズのプレスリリースと 関連する画像はダウンロード頂けます こちら (Dropbox).
左から右へ:フィッシャーMiniMax™サイズ06-7極、サイズ10-12極、サイズ10-30極
より小型、多極、高速:フィッシャーMiniMax™製品ライン
追加情報:
• フィッシャーMiniMax™ シリーズ 製品仕様書
• ConnectorSupplier.comの記事: YellowScan社のLiDAR とフィッシャーMiniMax™ 「Lidar Systems Give Vision to Vehicles」
• ME-Meßsysteme社の6軸ひずみゲージセンサとフィッシャーMiniMax™ のケーススタディ「Smooth data transmission even with vibrations」
• ミニチュア化技術 : フィッシャーコネクターズの新しいホームページ