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Renesas News
産業機器にネットワーク機能を容易に付加できる、産業イーサネット通信用MPU「RZ/N2L」を発売
ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、産業機器や装置にネットワーク機能を容易に付加できる産業イーサネット通信用MPU(マイクロプロセッサユニット)「RZ/N2L」を発売、量産を開始しました。
産業イーサネット通信用RZ/N2L MPUTSN対応の3ポートのギガビットイーサネットスイッチを搭載、高精度なリアルタイム通信をサポート.
RZ/N2Lは、今後普及が見込まれる、リアルタイム性を担保するイーサネット規格TSN(Time-Sensitive Networking)に対応しました。TSN対応の3ポートのギガビットイーサネットスイッチとEtherCATスレーブコントローラを搭載したことにより、EtherCAT、PROFINET RT、EtherNet/IP、OPC UAなどの主要な産業ネットワーク通信プロトコルに加え、今回新たにPROFINET IRTにも対応しました。ユーザはRZ/N2Lを、ホストCPUを補完するコンパニオンチップとして追加することにより、機器の内部構成を大幅に変えることなく産業イーサネットに対応させることができます。これにより、ユーザは工場の自動化に向けて、高速で高精度な同期制御を実現する産業機器を開発可能です。
ルネサスのインダストリアルオートメーション事業部の事業部長、白壁 仁は次のように述べています。「産業イーサネットを導入するために機器設計を根底から見直すのは、時間的にもコスト的にも大きな開発負荷となります。そこでルネサスは、既存システムにアドオンするのに最適化したRZ/N2Lを開発しました。これにより、お客様は最小限のシステム改良で、最先端の産業ネットワークを早期に導入できると確信しています。」
port industrial automation GmbH のCEO兼CFOであるDietmar R. Franke氏は次のように述べています。「今後普及が見込まれるTSNに対応したRZ/N2Lによって、さらに工場のイーサネット化が加速されることを期待します。portはマルチプロトコルリアルタイム通信用ミドルウェアGOALをRZ/N2L用に提供することを予定しており、お客様の機器への産業イーサネット通信技術の実装をサポートしてまいります。」
ネットワーク専用コンパニオンチップとして最適化
外部のアプリケーション用ホストCPUとの接続用インタフェース(I/F)として、パラレルホストI/F、シリアルホストI/Fを搭載したことにより、RZ/N2L をCPUとダイレクトに接続し、高速にアクセスすることが可能です。また、外部CPUはRZ/N2LのシステムRAMに格納された通信データに直接アクセスすることができます。RZ/N2Lは、外部CPU から独立してネットワーク処理を実行するため、既存のアプリケーションソフトウェアを大幅に変更することなく産業イーサネットに対応することが可能です。
リモートI/O、センサハブ、インバータ、ゲートウェイを1チップで実現可能
RZ/N2Lは、最大動作周波数400MHzのArm® Cortex®-R52を搭載しました。ECC付き大容量RAMやΔΣ I/F、A/Dコンバータ、PWMタイマなどの周辺機能を搭載しており、RZ/N2L単体で産業イーサネットに対応したリモートI/O、センサハブ、インバータなどを開発可能です。また、UARTやCANを搭載しておりRS485やCANベースのフィールドバスから産業イーサネットに変換するゲートウェイも実現可能です。
機能安全サポート
RZ/N2Lは、機能安全用マイコンとしても使うことが可能です。ルネサスから提供予定のRZ/N2L用自己診断ソフトウェア、機能安全プラットフォームソフトウェアや安全ネットワークなどの機能安全ソリューションを使うことで、開発期間と工数を削減することができます。RZ/N2L 用の機能安全ソリューションは2023年にリリース予定です。
RZ/N2Lのウィニング・コンビネーション
ルネサスは、RZ/N2Lを使用したPoC(概念実証)ボードを搭載した2つの新しいウィニング・コンビネーションを発表しました。これらのソリューションには、ルネサスの補完的なデバイスが使用されており、シームレスに連携して動作します。ギガビット産業用イーサネットSOMソリューションは、パワーマネジメントIC、フォトカプラ、EEPROM、ミックスドシグナルデバイスなどを使用し、SOMボードとキャリアボードの組み合わせで構成されています。2つのギガビットEthernetに加えてPmodとArduinoのインタフェースを搭載しているため、ユーザは独自の周辺機能を自由に構築することができます。
また、様々なRZ MPUをサポートする設定可能な単一電源を使用しています。また、220V ACサーボソリューションは、モータ制御とEtherCATのデザインを統合し、タイミング仕様が厳しい産業用イーサネット通信を同期させることで高速・高精度なモータ制御をサポートします。 このソリューションは、システム制御、パワードライブ、モータエンコーダの3つのブロックから構成され、物理的に絶縁されながら、高い相互接続性を実現しています。このソリューションを使用することにより、モータ制御とEtherCATを2チップで構成していたシステムに比べ、BOMコスト削減に寄与します。
ルネサスは、これらのソリューションのリファレンスデザイン、ガーバーファイル、サンプルプログラムコードを提供することにより、製品開発を加速させます。ルネサスのウィニング・コンビネーションは、ルネサス製品を最適に組み合わせて技術的に動作検証を行っているため、設計のリスクを低減し、市場投入までの時間を短縮することができます。ルネサスは、様々なアプリケーションに向けた300種類以上のウィニング・コンビネーションを提供しています。詳しくは、こちらからご覧いただけます。renesas.com/win
RZ/N2Lの詳細については、こちらをご覧ください。
https://www.renesas.com/rzn2l
初期評価に適した評価用ボード「Renesas Starter Kit+ for RZ/N2L」を、本日より発売しました。詳しくはこちらをご覧ください。www.renesas.com/rskrzn2l
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