www.engineering-japan.com
27
'15
Written on Modified on
ESPRIT
DPテクノロジーが、革新的CAMソリューションESPRIT 2015をリリース。生産性と自動化はさらなる高みへ。
2015年3月26日、カリフォルニア州カマリロより ― CAM業界を革新へと導くDPテクノロジーは、先駆的な主力製品ESPRITの新バージョンESPRIT® 2015をリリースします。
ESPRIT 2015の5軸ブレード荒加工のサイクルにより、1回の段取りでブレードの完全加工が可能になります。ESPRITは、より効率的なツールパスの生成によって、あらゆる工作機械アプリケーションの生産性向上を支えるとともに、CNC(コンピュータ数値制御)プログラミングの生産性にも本質的な改善を加え、そのプログラミング時間の削減を促進しています。
ESPRIT 2015では、生産性の向上に加え、特にインテリジェント・マシニングやストラテジック・マシニング、CAD-CAMデータ変換、クラウド対応CAMの分野で、新たに強化した機能を数多く提供します。
インテリジェント・マシニング
ESPRIT 2015のインテリジェント・マシニング機能は、サイクルタイムを削減する独自の5軸加工サイクルを新たに追加し、加工プロセスを高速化します。これにより、1回の段取りで、ブレードを完全に加工できるようになります。
ESPRITの5軸ブレード荒加工による工具動作は、ブレード全体にわたって、どんな素形材の形状からでも均一にオフセットした仕上げ代を残すよう、滑らかに定義されます。それにより、引き続きすぐに仕上げ加工へ移行することが可能です。
「ESPRIT 2015は、複雑な5軸加工をもっと効率良いものにする独自の機能を備えています。そのため、ユーザはブレードの荒加工や面取り等の機能で、幅広いツールパスを選択できるようになります。このESPRIT 2015によるブレードの荒加工なら、ブレードをその最終形状に沿って均一な加工代をもつワークへと加工でき、半仕上げ加工の必要がありません。航空機・エネルギー・自動車産業のお客様にとり、こうした高精度部品に対する作業時間の削減は、もっとも大きな利益となるのではないでしょうか」と、DPテクノロジーのグローバル・マーケティングおよび広報担当ディレクタCedric Simardは説明しています。
ESPRIT 2015のインテリジェント・マシニング機能では、改良した新しい5軸加工サイクルのポート荒加工サイクルを提供します。
限られた開口部から、ワーク内部へ工具を差し入れて加工しなければならない箇所がありますが、このポート荒加工サイクルでは、そうした箇所の加工に向けた5軸荒加工オペレーションを生成します。そのツールパス形状は、ポートサーフェスのオフセットとなっており、ポートサーフェスから加工を始めて、一定のステップオーバーで内側へと切り込みます。
生産性を大幅に拡大
ESPRIT 2015は、加工の生産性を高める機能も備えています。新しいボトムアップ荒加工・ストラテジーは、ESPRIT ProfitMillingによる高速加工サイクルを、もう一つ上の次元へと引き上げます。この新しいボトムアップ・ストラテジーなら、素形材の加工プロセスを通じて、わずかな加工代だけを残せるようになります。そのうえ、当社独自の高速荒加工技術であるProfitMillingと組み合わせれば、全体的な生産性を大きく向上することも可能です。このProfitMillingは、エンゲージ角、切りくず負荷、切削抵抗の半径方向分力、材料除去率についてツールパスを最適化し、サイクルタイムを大幅に削減するとともに、工具寿命を延ばします。
ストラテジック・マシニング
ESPRIT 2015では、ストラテジック・マシニング能力も拡大しています。ミル加工・旋削加工・ドリル加工の可能な複合加工機に向け、ストック・オートメーション機能を徹底的に見直したためです。この新しいストック・オートメーション機能では、正面削り、輪郭加工、ポケット加工の各ミリング・サイクルが利用でき、前加工によるストック加工情報が保持されているため、加工代が残っている部分のみの加工パスを生成します。この機能により、エアカットを大きく減らせ、サイクルタイムが大幅に減少します。
ほかにもストラテジック・マシニングでは、Port Millingサイクルと5軸コンポジットサイクルで溝フライスをサポートすることにより、機能向上を図っています。溝フライスなら、Tスロットや垂直な端面削りなどの加工時間を短縮でき、その工具形状は、軟材や低剛性なセットアップでの切削抵抗を低く抑え、工具寿命を伸ばします。また、5軸ブレードサイクルとコンポジットサイクルで新たにバレル型工具もサポートしました。バレル型工具では、その工具形状から工具食付きの有効半径が大きくなり、ツールパス間のカスプを小さくとれるため、ボールエンドミルよりも格段に優れた仕上げ面が得られます。
CADからCAMへ
ESPRIT 2015では、新しいデータ変換機能によって、お手持ちのCADシステムからESPRIT CAM環境へのデータ移行がこれまで以上に簡単になります。また、新たに3つのジオメトリタイプ、スケッチ、フィーチャ・プロファイル、カーブが、ダッソー・システムズ社のCATIA、パラメトリック・テクノロジー社のPro/ENGINEER、シーメンス社のNX/UGから、ESPRIT FXデータ変換を介して利用可能になりました。これらの形状タイプから得られる追加情報も、荒加工のために複雑な領域をカバーしたり、エッジ仕上げが向上するようサーフェスを拡張したり、と簡単に操作可能です。
ほかにもESPRIT 2015では、形状の自動認識精度を高めたことで、プログラミング時間の短縮になる重要な改善が実現されています。ソリッドフェイスやループ、エッジの自動チェーンのサポートが強化され、ソリッドモデル上でチェーン・フィーチャが直接生成できるようになったのです。加えて、ウォール・フィーチャの認識コマンドを再設計したことで、たとえテーパ状ウォールであっても、ソリッドモデル内のウォールの上限と下限を自動認識します。
ESPRIT 2015の5軸ブレード荒加工のサイクルにより、1回の段取りでブレードの完全加工が可能になります。
新しいESPRIT 2015のボトムアップ・ストラテジーは、より高精度な加工モデルを短時間に生成します。
新しいESPRIT 2015の5軸加工のチャンファリング・ストラテジーは、3Dカーブに沿ったエッジの面取りを行います。
新しいESPRIT 2015の5軸加工のチャンファリング・ストラテジーは、3Dカーブに沿ったエッジの面取りを行います。
ESPRIT 2015によるバレル型工具サポートによって、側面切削工具の利点を最大限に活用でき、高品質な仕上げ面が得られます。