コンテナ港の自動化におけるネットワーク接続性の問題を解決

国際輸送の効率化を図るためには、コンテナ貨物を船から陸へ迅速かつ安全に移送する高性能なクレーンが必要です。こうしたニーズに応えるためBTG社は、コンテナ港自動化のための位置測定システムの開発・製造・設置を専門としています。同社が手掛ける仕事の多くは、船から自動搬送車（AGV）に荷物を運ぶクレーンを実現するためのセンサーを用意することが基本となっています。しかしながら、そのネットワーク構築は複雑で難しい要求が伴います。というのも、クレーンとAGVは異なる産業用ネットワークを使用していることが多く、そのうえ過酷な環境下でもリアルタイムにデータを転送しなければならないからです。これこそAnybusが活躍する場面です。Anybusがネットワーキングを担うことで、BTG社は位置測定システムに集中でき、自動化コンテナ港の効率性を高めることができるからです。

BTG社について
BTG社は、自動化コンテナターミナルのあらゆる種類のクレーンや車両に使用する位置測定システムに特化したオランダの企業です。同社は25年以上にわたる実績を重ね、世界中の主要な自動化コンテナ港に製品を納入してきました。

そのBTG社の主力製品の一つが、計測システムのIRM400シリーズです。クレーンの振れやたわみ、傾斜を制御して、クレーンで吊っているスプレッダーと大切な荷物の位置を正確に管理できるように設計されています。

また、このIRMは一連のモジュール要素として設計されており、さまざまなタイプやサイズのクレーンに合わせて構成可能です。さらに同システムには赤外線送信機と高分解能な受信機が含まれています。送信機はクレーンのスプレッダーに取り付け、この送信機の直上に受信機を設置します。そして、搬送している荷物の全方向の振れ角を常時測定します。加えて、スプレッダーのねじれ角のほか、オプションとしてトリム角やリスト角も測定します。

3次元的に高速移動する数トンの荷物について、こうしたレベルでダイナミックに制御するには、複数のソースからリアルタイムにデータを収集して即座に処理し、正確な位置と速度を常に把握・調整できるようにする必要があります。

　BTG社の最高執行責任者Daan Potters氏は次のように説明しています。「当社は過酷な産業環境における位置測定システムについて多くの経験と知識を持ち合わせていますが、産業用ネットワークのエキスパートではありません。そのためAnybusに注目しました」。

ネットワーキングに対する要件
BTG社は、IRMセンサーに組み込むことができ、しかもPROFIBUS・PROFINET・CANopenの各ネットワークで通信できるネットワーク技術を必要としていました。世界の様々な地域ではそれぞれ異なるネットワークが支配的であるため、グローバル企業のBTG社は、将来的にもっと多くのネットワークを容易にカバーできる可能性も視野に入れたいと考えていたのです。また、ネットワークソリューションとして、旧来の機器との互換性や海洋環境に耐え得る丈夫さ、リアルタイムにデータ通信を処理する高速性なども求められました。

Anybus CompactComとの出会い！

Anybus CompactCom
どんなネットワークにも
HMS NetworksのAnybusは、産業機器を主要な産業用ネットワークに接続することに特化した製品ブランドです。PROFIBUS・PROFINET・CANopenネットワークを含む主要なフィールドバスや産業用Ethernetネットワークを統合するためのCompactCom製品をご用意しています。

組込み設計
CompactComは、BTG社の例にみられるセンサーの受信機のように必要なデバイスに組み込みます。このような組込み設計にはいくつかの利点があります。まず、取付けが簡単なため、新製品の市場投入までの時間を短縮できます。また、旧来の機器を再利用できることから、BTG社では既存のクレーンに新しい電子制御システムを後付けすることが可能になりました。さらにCompactComは保護等級IP67のエンクロージャーに組み込むことができ、海洋環境の厳しい条件にも確実に対応できます。

リアルタイム通信
Anybus CompactComは、双方向に最大1448バイトのデータ処理という、最も要求の厳しい同期モーションアプリケーションにも対応できる高性能なデータ交換を実現します。

「当社はCompactCom B40を選びましたが、これは本当に良い選択でした。CompactCom B40がネットワークキングに関するニーズをすべて解決したうえ、必要なネットワーク互換性と位置測定システムに不可欠なリアルタイム通信も実現しました。またAnybusからは、CompactCom B40をできるだけ早く実装するための優れたサポートも受けられました」と、Daan Potters氏は教えてくださいました。