HMSネットワークスがAnybus Diagnosticsの導入でAnybusの製品群を強化

製造業を始めとする産業界では、産業用オートメーションの重要性がますます高まっています。ただし、オートメーションシステムを完全な状態で運用して効率性を確保するには、そのシステムに使用する産業用ネットワークの信頼性が極めて大切な要素となります。HMSネットワークスは、こうしたニーズの高まりに応えるべく、ネットワークの稼働率とセキュリティを確保するための製品とサービスを揃えたAnybus Diagnosticsの導入を決定し、Anybusブランドの視野と射程を拡大します。

予期せぬダウンタイムを防ぐ
予定外のダウンタイムは、世界中の産業メーカーにとって非常にコストのかかる問題であり、そのコストは年間500億ドルに上ると推定され、増加の一途をたどっています [1]。

そのため各企業は予期せぬダウンタイムにともなう費用を軽減するため、絶えず対策を講じていますが、最も効果的な解決策はダウンタイムの発生を未然に防ぐことです。この課題に対し、Anybus Diagnosticsは設備の保守に積極的かつ費用対効果の高いアプローチを採れるようにすることで応えます。Anybus Diagnosticsを活用すれば、お客様は設備およびネットワーク通信を常に監視することができ、高コストなダウンタイムや修理の必要性が生じる前に、潜在的な問題に先行して対処可能になります。

Anybus Diagnosticsの支援効果とは
Anybus Diagnosticsは、産業界の企業の皆様がコストのかかる予定外のダウンタイムを回避できるように包括的な製品とサービスを提供します：

恒常的モニタリング
産業用ネットワークの主な問題の1つは、企業がネットワークのパフォーマンスを能動的に監視していないため、問題が発生するまで修正できないという点です。そこでAnybus Diagnosticsが、PROFIBUSや産業用Ethernetネットワークを常時リアルタイムに監視して、パフォーマンスに影響がおよぶ前に、お客様が問題を特定し解決できるネットワーク監視ソリューションを提供します。

ネットワークのセグメンテーション
多くの企業は既存のフィールドバスネットワークを使い続けたいと考え、デイジーチェーン型トポロジーでの新デバイス追加によるネットワーク拡張を選択するケースがよく見受けられます。しかしながらこの方法は、1台の機器の問題がネットワーク全体の障害になりかねず、想定外のダウンタイムが発生してしまうという大きなリスクを抱えています。このような問題を解決するため、Anybus Diagnosticsはネットワークを分割するネットワークセグメンテーション製品を提供し、あらゆる問題を分離してシステム全体に影響がおよばないようにします。複数のタップポイントを活用したネットワークセグメンテーションにより、ダウンタイムのリスクを最小限に抑えられるうえ、ネットワークの他の部分を止めることなくエンジニアが問題を迅速に特定・解決できるようになり、トラブルシューティングも容易になります。

ネットワークに対する洞察
産業用ネットワークにおける問題のトラブルシューティングには、様々な産業用プロトコルに関する豊富な経験と知識が必要となることが多く、困難をともなう場合があります。しかも、ネットワークが複雑になればなるほど、問題の特定と解決はいっそう難しくなります。Anybus Diagnosticsはこうした問題を解決するために、AI搭載のソフトウェアを提供し、ネットワークを迅速かつ正確に分析してあらゆる問題の根本的な原因を特定できるようにします。このような先進技術により、長年の経験や個別のネットワークに関する詳細な知識がフィールドエンジニアに求められる状況を軽減します。トラブルシューティングのプロセスが非常に合理的で高効率になるため、業務の時間とコストも削減できます。

スキルアップや研修
安定して正常に動作する産業用ネットワークの構築を支えるは、信頼性の高いハードウェアとソフトウェアだけでなく、技術力の高いプロフェッショナルが社内に必要です。そのため、Anybus Diagnosticsには、それぞれの工場の稼働率向上に必要なスキルや知識をエンジニアが習得できるeラーニングや認定トレーニングプログラムも用意しました。このトレーニングプログラムを通じて実践的な技術・経験を身に付けていただき、エンジニアが産業用ネットワークの設計・設置・保守・トラブルシューティングを効果的に行えるようにします。Anybus Diagnosticsのトレーニングプログラムを利用すれば、企業はスタッフの様々な知識不足を解消し、パフォーマンスの改善や産業用ネットワークの稼働率向上、さらには安心感まで得ることができるのです。

HMS ネットワークスのAnybus DiagnosticsビジネスラインディレクターSimon Mortazaviは、このAnybus Diagnosticsの立ち上げについて次のように説明しています。「当社は大きな期待を込めて、これまでのAnybus製品およびサービスのポートフォリオに、Anybus Diagnosticsビジネスラインを加えました。周知のとおり予期せぬダウンタイムは製造業に深刻な影響を与えますが、この大きな課題に取り組むための包括的なソリューションをAnybus Diagnosticsを通じてお客様に提供できるようになりました。Anybusブランドは、Diagnosticsラインの導入により、産業用接続ソリューションを総合的に提供するためのすべてが揃いました。当社は、お客様による接続化、そしてその接続の維持をしっかり支えています」。

[1] "Predictive maintenance and the smart factory,"［オンライン］. 出典: https://www2.deloitte.com/us/en/pages/operations/articles/predictive-maintenance-and-the-smart-factory.html.