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08
'15
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HMS Industrial Networks AB
M-Busセンサーをわずか10分で接続!
スウェーデンのシステムインテグレーターProcesscomponent AB社は、M-BusセンサーをOptoEMU Energy Monitoring Systemへ迅速に接続する方法を見つけました。Anybus M-Bus to Modbus-TCPゲートウェイを使用することで、ビル内のリアルタイムデータをビルオーナー様に提供し、監視やロギング、請求書の作成を可能にしています。
現代のビルは、単にコンクリートや木材、鉄鋼などで建てられているだけでなく、デジタルネットワークによって、冷暖房・水道・電気等のシステムが複雑にリンクしています。そのため、ビルオーナー様とシステムインテグレーター様にとって共通の悩みは、必ずしもすべてのシステムと機器が互いに通信可能でないということです。その一例に、熱量や水量、温度、エネルギーなどのセンサーがあります。センサーや計器の多くはM-Busプロトコルを採用していますが、Modbus-TCPといったネットワーク上にある集中管理システムのコントローラーはM-Busプロトコルを理解できません。
Processcomponent社が、ヨーテボリのアパート建屋にモニタリングシステムを設置しようとした際に直面したのは、まさにこの問題です。同システムは、72戸の住戸と食料品店、集中冷暖房システムからデータを収集するため、ビル全体に温度やエネルギー、水道用のセンサーが配されています。問題は、そうしたセンサーがM-Busによって通信するのに対し、Opto22社提供の電力監視システムOptoEMUがModbus-TCPを用いていることでした。
この通信の問題を解決するためProcesscomponent社が選んだのが、HMSインダストリアルネットワークスのAnybus M-Bus to Modbusゲートウェイです。このゲートウェイは、M-Bus信号をデコードし、Modbusレジスターに直接マッピングします。これにより、OptoEMU でM-Busセンサーが認識でき、その計測値を直接表示できます。
M-Busデータへ迅速かつ容易にアクセス
Processcomponent社のセールスマネジャーJonas Karlsson氏は次のように話しています。「Anybus M-Busゲートウェイが良い点は、非常に使いやすく、迅速にインストールできることです。このゲートウェイは、設定が要らずに、すべてのM-Busセンサーを自動的に検出してくれます。そのため、各計器を個別に設定する必要がなく、大幅な時間の節約になります。すべてが自動的に表示され、シリアル番号や機器名、現在のすべて計測値が完全に揃います。実際、センサーからゲートウェイまでを配線するスタッフがいれば、自分が現場に出向く必要さえないのです。以前は、M-Busで稼働する計器1台を設定するのに数時間を要することもありました。Anybusゲートウェイなら、セットアップが10分で可能です!」。
動作について
Jonas Karlsson氏は続けます。「実際のプロセスは非常に簡単です。ゲートウェイに接続された利用可能なM-Busセンサーを検索し、センサーからModbusレジスタを取得します。これらのレジスタはOptoEMUで認識され、センサーからのリアルタイムデータをお客様に提供できます」。
設定はWebベースの設定ツールで行います。このツールは、ユーザーがWebインターフェイスからゲートウェイを設定できるようになっています。プログラミングは必要ありません。計器からの計測値はModbusレジスターとしてOptoEMUに自動的に表示され、認識・処理できます。
エネルギー監視ソリューションOptoEMU
Processcomponent社は、エネルギーモニタリングシステム (EMU)であるOptoEMUのインストールで非常に優れた業績を収めてきました。このOptoEMUは、ビルや分電盤に加え、冷却機やコンプレッサーなど個々の装置からエネルギーデータを収集します。さらにOptoEMUはこのデータを発信して、ユーザーがオンラインで確認し、たとえば請求書を作成するといったビジネスアプリケーションで活用できるようにします。また、一定のレベルに到達したときは必ずアラーム情報を受け取ることも可能です。
その成果
このヨーテボリのアパートには、現在、72戸の住戸用と食料品店用の2台のOptoEMU-DR2に接続したAnybusゲートウェイが設置されています。計測値はExcelファイルにロギングでき、FTP経由でダウンロード可能です。また、OPCサーバーを介して、計測値を直接SQLデータベースやHMI/SCADAシステムに送信することもできます。
ビルオーナーは、アパート各部屋のリアルタイムな測定値にアクセスできることから、消費量を一目で確認し、また一定の閾値に達した場合にはアラームを受け取ることもできるようになりました。計測値へのアクセスによって、居住者に対し、迅速かつ自動的に請求書を作成することも可能です。
「Anybusゲートウェイによって、間違いなく当社もお客様も業務が楽になりました。M-Busによる計測値をOptoEMUで迅速かつ容易に取り込むことで、当社のモニタリングシステムは、より高速に立ち上げて運用できます。これは、当社とお客様の両方にとって大きな利益です」と、Processcomponent社のJonas Karlsson氏は評価しています。
Anybus M-bus - Modbus-TCPゲートウェイ
Processcomponent社のセールスマネジャーJonas Karlsson氏
M-Busゲートウェイに接続されたOptoEMU
Modbusレジスタのマッピングは高度に自動化されています。また、設定はWebベースのインターフェースで行えます。