www.engineering-japan.com
03
'23
Written on Modified on
Schneider Electric News
シュナイダーエレクトリック、国立天文台の計算機システムに高効率冷却ソリューションを導入
熱密度が高い機器への高効率な冷却が可能となる 局所冷却装置 InRow RCを導入し、消費電力を大幅に低減。
エネルギーマネジメントおよびオートメーションにおけるデジタルトランスフォーメーションのリーダーであるシュナイダーエレクトリックは、大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 国立天文台(所在地:東京都三鷹市、代表:常田佐久、以下 国立天文台)の計算機システムに、高効率冷却ソリューションを導入したことを発表します。
今回導入に至ったのは、高効率局所冷却装置「InRow(インロー)」です。国立天文台の計算機室には、InRowの他に、室内の機器を収納するラック「NetShelter SX(ネットシェルターエスエックス)」や、電源保護のためのUPS装置「Smart-UPS(スマートユーピーエス)」、電力の見える化に寄与する「Rack-Mount PDU(ラックマウントピーディーユー)」等が導入されています。
国立天文台の三鷹キャンパス内では天文学に関するさまざまなプロジェクトが活動しており、天文学における観測、理論に次ぐ第三の研究手法とされる、コンピューターを用いた数値計算によって天文学の諸問題を考察するシミュレーション天文学も取り扱われています。このような中で、様々な計算機システムを共同利用・運用し、国内外にいる利用者の数値計算を伴う天文学研究を支援している『天文シミュレーションプロジェクト(CfCA)』が管轄する計算機室において、シュナイダーの高効率冷却ソリューションが採用されました。
同計算機室は、消費電力が大きいGPUクラスタをはじめ、通常のデスクトップコンピューターの集合である計算サーバーまで様々な機材が設置・使用されています。各機器から発生する熱は機材によって差があるため、局所的な熱だまりが発生しており、以前はその熱の偏りを工場などで使われる大型の扇風機で拡散していました。しかし、GPUのリプレースを行ったことで、発熱密度の高い部分がさらに高温になる変化が想定され、機器の高密度化を見据えた電源・冷却装置を求めていました。また、屋上チラー(循環水冷却装置)と配管を有効活用した柔軟な設備計画が必要となり、予算に応じて柔軟かつ段階的に機器導入を行うことが可能な、シュナイダーの高効率冷却ソリューションの採用が決定しました。
局所冷却が可能なInRowのクーリングソリューションは、「冷やしたいところだけ、きちんと冷やせるようにしたかった」という国立天文台のニーズに適応しており、環境温度の上昇に応じ、処理能力が落ちるGPUやCPUの状態にあわせて冷却することができた点が評価されています。また、今後、計算機器の追加や配置変更等を行うことで空調機器を追加することになっても、機器の排熱量が同じであれば室外機を増やす必要が無く、経済的に運用していくことができることも、採用決定の要因となりました。さらに、機器を収納するラック「NetShelter SX」や電源保護のためのUPS装置「Smart-UPS」、電力の見える化に寄与する「Rack-Mount PDU」をトータルで採用したことで、昨今の電気代高騰に対応し、消費電力を明確に把握することにもつながりました。
www.se.com